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〈特集〉瀬戸の宝石うちの島7 男木島(おぎじま)

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香川県

今月のすてき島人
写真左から
NPO法人男木島生活研究所 代表 福井大和(やまと)さん
NPO法人男木島図書館 理事長 妻の順子(じゅんこ)さん

■戻ってきた子どもの声 次世代へつなぎたい
─大和さんが故郷の男木島に戻った理由は。
私は男木島で生まれ育ち、大学進学を機に大阪へ出ました。2013年の瀬戸内国際芸術祭をきっかけにした地域のウェブサイトつくりのお手伝いを始めた時に、男木小中学校が休校していることを知り、妻と娘の家族3人で帰郷することを決めました。学校再開に向けては島内外の多くの方に応援していただき、2014年に再開が実現しました。

─順子さんは男木島図書館をつくりました。
私は学校が再び休校にならないように、移住者を支援する場所をつくろうと考えました。移住する時の課題は、子どもの学習環境と、島の人との交流です。子どもが宿題したり、本を通じて島民と移住者の縁をつなげる場所があることで、移住者の不安を少しでも取り除ければとつくりました。

─順子さんは図書館をどうしていきたいですか。
今後は図書館を大きくするというより継続することを意識しています。この先10年、20年と続けることができれば、島が次の世代につながっていく一つの証しになると思います。

─大和さんは島を今後どうしていきたいですか。
今、県内の子どもたちに男木島や周辺の島々へ来てもらい、フィールドワークやキャンプなどを通じて、島の魅力を体感してもらう取り組みを進めています。島のファンを増やすとともに、自分たちが住む香川は海山に恵まれた素晴らしい場所だと伝えていきたいですね。

■元気な島へ全身全霊
男木島で漁業を営む宮下淳(みやしたあつし)さんは、漁の合間に郵便配達や島の宿泊施設でシェフも務める多彩な人。4年前には男木島観光協会の会長に就任し、水仙まつりやキャンプ場の運営なども行っています。8月には男木島灯台が舞台となった人気ゲームとコラボしたイベントを実施し、数百人の観光客をもてなしました。
元気の源は、毎週末に開く観光協会メンバーとの集まり。誰かの家に酒や食材を持ち寄って、ざっくばらんに島の課題を話し合っています。現在は、男木島灯台の重要文化財指定を目指して活動中。今年度から有料で一般開放を始め、観光客も気軽に行けるようになりました。島の仲間と、全身全霊で「面白い」男木島を仕掛けています。

■男木島
◯男木島灯台
香川県特産の庵治石で造られた全国的にも珍しい無塗装の灯台。併設する資料館では、全国の灯台や男木島の歴史などに関する資料を展示しています。

◯〈芸術祭作品〉山口啓介「歩く方舟」
旧約聖書のノアの方舟をヒントに、立体作品を堤防に展示。

◯男木小中学校
2011年3月に休校となったが、2014年4月に再開。2016年に現在の校舎が完成し、小中学校合わせて9人の生徒が通っています。

◯〈芸術祭作品〉レジーナ・シルベイラ「青空を夢見て」
学校の体育館の正面に刺しゅうのように見える空と雲が出現。瀬戸内独特の青い空と光をイメージした作品。

◯男木島図書館
空き家だった古民家を改修してつくった私設図書館。本を読みながら、島の温かな雰囲気とゆっくり流れる時間を感じることができます。

◯〈芸術祭作品〉眞壁陸二「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」
島で集めた廃材や廃船などに風景のシルエットをカラフルに描き、民家の壁に設置。

◯〈芸術祭作品〉ジャウメ・プレンサ「男木島の魂」(男木交流館)
貝殻をイメージした白い屋根に8カ国の文字がデザインされたアート作品。現在は島の案内所として活用し、島民と観光客の交流の場になっています。

◆10月全島カレンダー
《豊島》
▽豊島棚田の収穫祭2023
豊島唐櫃の棚田(豊島美術館前)
10月28日(土)午前9時30分~

《直島》
▽直島の秋祭り
崇徳天皇神社 積浦(つむうら)地区 9月30日(土)10月1日(日)
住吉神社 宮ノ浦(みやのうら)地区 10月7日(土)・8日(日)
八幡神社 本村(ほんむら)地区 10月14日(土)・15日(日)

▼data
◯男木島(高松市)
人口:144人
面積:1.34平方キロメートル
(2023年8月1日現在)
《アクセス》高松港から船で約40分
《島内の交通手段》徒歩のみ

問い合わせ先:
・高松市観光交流課
【電話】087-839-2416
・高松市地域振興課
【電話】087-839-2278

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