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挑戦するかがわのものづくり企業(64)

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香川県

日常のさまざまなシーンで使うウエットティッシュ。大手ブランドの信頼を縁の下の力持ち的に支える、香川のものづくり企業を紹介します。

◆昭和紙工株式会社
【住所】観音寺市豊浜町和田浜441
設立:1988年
【電話】0875-52-5486
【HP】http://www.showa-shiko.co.jp/

■日用品から災害ニーズまで 自由自在の多品種少量生産
◯要望に応えたい!から始まった柔軟できめ細かいものづくり
「ウエットティッシュ」と呼ばれる製品には、手を拭くものだけでなく、化粧用、ベビー用、介護用、掃除用、車や眼鏡のケア用など、多くの種類があります。
各社がさまざまなブランド名を掲げて商品を展開しており、お気に入りのブランドがある人も少なくないでしょう。各社のブランド商品の製造を受託し、取引先のブランド名で行うものづくりを「OEM」と呼びます。昭和紙工は、不織布製の衛生商品、いわゆるウエットティッシュのOEMが9割を占めるメーカーです。業界も規模もさまざまな200社以上の取引先と厳重に秘密保持契約を結んでいるため、同社の名前が表に出ることはほとんどありませんが、同社が手掛ける製品は千種以上。私たちの身の回りの至るところで流通しています。
ボトルタイプのウエットティッシュを製造する町工場から始まった同社の理念は「顧客の要望にいかに応えるか」。難しい依頼であってもゼロ回答はせず「10は無理でも5なら、7なら」と全力で応えてきた結果、多品種少量生産で幅広い仕様に対応できる現在の体制を確立しました。中小企業ながら一部上場企業レベルの厳しい品質水準をクリアし、柔軟なものづくりのノウハウは取引先に対する提案力の向上にもつながっています。
「多品種少量生産スタイルは生産効率が悪く、他社は敬遠しがちですが、きちんと利益を出せる仕組みを社内で確立しているのは当社の強み。きめ細かく要望に応える姿勢が評価につながっているのではないでしょうか。お客さまに育てていただいたようなものです」と、代表取締役の三宅高史(みやけたかし)さん。コロナ禍で除菌ウエットティッシュのニーズが急増し、現在も売上は好調。一方で、地震や水害などで被災した人たち向けの衛生用品ニーズには、損得を超えて優先的に対応するといいます。「製造現場は大変ですが、これも当社の社会的責任だと思っています」。

◯機械化が進んでも「人」の力は重要
製造拠点は観音寺市内に8工場、常に最新設備をそろえる積極的な投資を進め、自動化による省人・効率化を目指してきましたが「その設備力をフルに生かすには人材が必要」という三宅さん。実力のある社員は年齢・性別・経験を問わず登用するとともに、働きやすい環境づくりにも力を入れています。
大野原工場長の西島(にしじま)ゆかりさんと、箕浦(みのうら)工場長の濵田奈緒美(はまだなおみ)さんは、派遣社員としてキャリアをスタートし、2年前に工場長に就任しました。2人とも子育て中で、育児に理解のある環境に惹(ひ)かれたといいます。「まだまだ勉強不足ですが、周囲に支えられ、みんなでものづくりをしている実感があります」と西島さん。濱田さんも「当社でつくっている製品をママ友が使っているとうれしい」とやりがいを語ります。
「一部の業務には化学の知識が必要ですが、素養がなくてもやる気さえあればカバーできます。大事なのは当社でしっかり経験を積むことです」と三宅さん。「ペーパーレスの時代とはいえ、衛生商材は少し事情が違います。日本人の清潔好きはこれからもきっと変わらないでしょうから『日本一のウエットティッシュメーカー』を目指したい」という意気込みを、約300人の社員たちがしっかりと支えています。

問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904

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