南部町に来てからたくさんの方とのご縁ができ、支えられ8月で地域おこし協力隊の任期を全うできることとなりました。皆様本当に、本当にありがとうございました。
農業に無縁の生活から一転し環境も文化も全く異なる土地で、活動を通じてゼロから挑戦する多くの機会を賜り、数え切れないほどの貴重な経験を積ませて頂くことができました。雪が積もらない場所で育ち、虫と車の運転が苦手でAT免許証のペーパードライバーだった私がMTの軽トラックに乗り、狩猟を学び、養蜂家を目指し、暇さえあれば畑の土で真っ黒だなんて、家族や古い友人も驚いています。
良いことばかりでなく失敗もたくさんして迷惑もかけました。「税金泥棒だ!」等と責められもう辞めた方がよいのではと落ち込むこともありました。思うように進めなくなりつまずき、笑うことができなくなり、とうとう病院送りになった時も周りの方がそっと手を差し伸べてくださいました。
今尚勉強中ですが、胸に刻んだことがあります。
立場や性別や年齢に関係なくお互いの人権を尊重し思いやる
目に見えない心の健康こそ大切に
ありがとうと楽しむこと
自然を相手に予定通りにならなくて当たり前
備えたらどんと肝を据えて覚悟する
何歳からでも遅いということはない
火起こしができるようになった時、「燠(おき)」という言葉を知りました。静かに赤々とゆっくり長く熱く燃え続ける燠のように、3年間で多くの方から学んだことを活かしこれからも焦らず積み重ねていきたいです。目標は南部町の食材で身体にやさしく美味しい物を作れる養蜂家です。
今後ともよろしくお願いいたします。
辻田 陽子
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