子どもの頃から革製品に魅力を感じていたという土井さん。サラリーマンをしていたものの、ものづくりが好きで「自分で考えた物を作って販売していきたい」という気持ちを持ちます。23歳の時に購入したスタートキットで作った手縫いの長財布が初めての作品でした。「これでやっていこう!」と決意し、その後は失敗を繰り返しては工夫を重ね、独学で技術を磨いてきました。
デザインを考え、型紙を作り、縫い上げる。思った通りに出来上がることもあれば、上手くいかないこともありますが、土井さんは自分で考えたものが形になっていく〝創る楽しさ〞に魅力を感じています。工房では、財布や名刺入れ、鞄などの革小物を中心に製作しています。オーダーメイドの注文も多く、自分がすべてを手掛けた完成品を受け取った方から「予想よりも遥かに良かった」など、喜びの声を直接聞けることも大きなやりがいになっています。
山陰の方を中心に、SNSを見て県外から来店する方も多いといいます。こうした発信を続けながら、「今後は全国や海外に自分の作品を売り出していきたい」と意気込みを語ります。
土井さんが初めて作った長財布は今も工房に大切に飾ってあります。技術が無くても時間をかけて情熱を持って作った作品を見ることで、初心を忘れず製作に取り組まれていました。
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