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自治体の皆さまへ

【ほけレポ】保健レポートvol.48~”まめ”にいかいや!江府町~

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鳥取県江府町

・まめ=元気という意味。
・保健師、管理栄養士、健康運動指導士が毎月、いのちと健康を守るための情報をお届けします。

■『認知症とともに生きるまち江府町』をめざして
令和6年1月1日に「認知症基本法」が施行され、認知症の人が尊厳や希望を持って暮らせる共生社会の実現を推進するよう国や自治体が取り組むことが法律で定められました。
基本法の最大のポイントは、国や自治体が“認知症の人が自らの経験を共有できる機会や社会参加の機会を確保すること”や“認知症の人や家族の意見を聴くこと”が明記されたことです。
今回は、私たちが聴いた認知症の本人の声をご紹介します。

◯「認知症のイメージを変える新年会」本人からのメッセージ
令和6年1月7日に米子市で開催された「認知症のイメージを変える新年会」(実行委員会主催、県と米子市の共催)では、39歳で若年アルツハイマー型認知症と診断された丹野智文さん(49歳・仙台市)とともに認知症の本人交流会が開かれ、丹野さんをモデルとした映画「オレンジランプ」の上映会や当事者トークがありました。
丹野さんと認知症本人のみなさんは、それぞれの「これからやりたいこと」「工夫していること」など、和やかな雰囲気でお互いに語り合われました。
丹野さんの語りとメッセージをいくつかご紹介します。

◯まわりが先走らず本人の話をよく聞いて
丹野さん「認知症の人がこんなに話せるんだと驚かれた方もあるでしょう。認知症の人はよく『何も分からない』『何もできない』『話さない』と思われてしまうが、その多くは、まわりの人が先走ってやってしまったり、話してしまったりしている。認知症の人でもできることはある。例えば、「料理」一つをとっても、食材を準備して、洗って、切って、煮て、味つけをしてと、さまざまな工程がある。その一つができないだけで「あなたは座ってて」と言われてしまう。認知症になっても、できることはやってみる。それを挑戦した上でできないことは助けてもらう。本人は、自分が『何ができて何ができないのか』『これから何をやりたいか』をまわりの人にちゃんと伝えたほうがいい。まわりの人は、本人の話をよく聴いて、できない部分をサポートしてほしい。」

◯認知症になっても大丈夫なように『備える』『つながる』
丹野さん「高齢社会の現代で、みんなが認知症になり得る。安心して認知症になれる社会をつくらなければならない。そのためには、ならないための予防ではなく、なっても大丈夫なように『備える』ことである。また、まわりの家族や友人と仲よくつながっていないと、いざ認知症になったときに誰も助けてくれない。『つながる』こと、いまそのことを一生懸命やることだ。」
認知症になると『本当にあっているかな?』と、物事の“確かさ”が無くなる。常に不安との闘いである。まわりの人がパートナーになってくれて、『助けて』を言えるまちになってほしい。」

◯「認知症になっても、お互い堂々と歩けるまちであってほしい」
この言葉は、江府町で毎年4回開催している「認知症とともに生きるまち江府町講座」の中で、認知症本人が語られた言葉です。
認知症の人は、一人一人が自分の思いを持っておられます。認知症というだけで、ひとくくりにしないで、本人や家族の声に耳を傾けて、認知症とともに生きるまち江府町となることを願っています。

◎認知症に関する相談窓口
・江府町総合健康福祉センター内江府町地域包括支援センター
【電話】0859-75-6111
・鳥取県認知症コールセンター
【住所】米子市糀町1-10
【電話】0859-37-6611
月〜金10〜18時

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