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国史跡「立切遺跡」(令和4年11月10日指定)

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鹿児島県中種子町

7月号・8月号では、落とし穴と周辺環境を上手く利用していた約3万5千年前の人々の生活の様相について紹介しましたが、本遺跡では現在の私たちの生活にも欠かせないもう一つ重要なことが見つかっています。
それは、人類の大発見である「火」の使用です。立切遺跡では、土が焼けた跡である「焼土跡」や、石を集めて加熱する調理施設とされる「礫群」が発見されており、当時の人々が「火」を使用して生活していたことが分かっています。「焼土跡」からは焼土のほか木など焼けてできた炭化物、「礫群」からは赤く焼けた石や炭化物が見つかり、「火」が使われていたことを確証付けています。また、焼土跡や礫群の発見と「火」の使用から、当時の人々がその地にとどまって生活していたことも示唆するとともに、土中から出土する炭化物の化学分析によっては、当時の植生や食物の種類を特定することができるため、焼土跡や礫群なども当時の生活環境を解明する上でとても重要なものとなっているのです。
3万5千年前から人々の生活に欠かせなかった「火」。人類はどのようにして「火」を使えるようになったのでしょうか。次回は立切遺跡から少し脱線しますが、「人類と火」についてのお話を紹介します。

お問い合わせ先:歴史民俗資料館
【電話】27-2233

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