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特集:響け、伝統の夏。

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鹿児島県 出水市

出水の夏祭りには伝統がある
今年で41回目を迎える“夏祭りいずみ鶴翔祭”は、昔は“祇園祭り”という名で、商売の神様である八坂神社の祇園様を祀る本町商店街のお祭りだった。
祇園祭りに向け、子どもたちは太鼓の練習に励み、夏休みに入ると毎週土曜日に商店街で夜市が開催され、一歩外に出れば人で賑わい活気に満ち溢れていた。

そんな祇園祭りの伝統を、現在も引き継いでいるモノがある。
“本町祇園太鼓”
当時は「子供祇園太鼓」として多い時には4つの子供会が、山車に載せた太鼓を叩き商店街を練り歩いていたが、少子化に伴い太鼓を叩く子どもたちが少なくなった。
ついには、子供会活動での祇園太鼓は一度途絶えた。

それでも、あの頃トラックの上で太鼓を叩くカッコいい大人たちに憧れ、祇園太鼓が好きでたまらない男たちが立ち上がった。
「あの頃のように、太鼓を叩きたい」
大人5人で再開した本町祇園太鼓は、今では商店街の大人、子どもを中心に賑わいを取り戻した。

感染症により制限された日々が続き、ここ数年、物足りない、どこか寂しさを感じる夏が続いた。
今年はようやく、何も気にせず本気で楽しめる。
50年も前から続く本町祇園太鼓の音が、一段と大きく響くだろう。

さぁ、太鼓の夏がやってきた、伝統を響かせろ

■本町祇園太鼓
▽憧れていたあの姿に
一度は途絶えた本町祇園太鼓。子どもの頃憧れていた大人たちの姿を思い出し、平成十四年に徳留さんら大人五人で本町祇園太鼓を復活させようと動き出した。
「夏はやっぱり太鼓」と今では笑って話すが、一度無くなったものを復活させることは相当な苦労があったに違いない。
それでも太鼓が好きで、活動を続けてきた。そんな徳留さんたち大人の姿を現代の子どもたちには、目に焼き付けてほしい。

▽やってよかったと実感
ある年、施設前で太鼓を叩いていた時に起きた出来事。
おばあちゃんがそっと寄って何かを手に握らせ、「ありがとう」と一言。渡されたのはティッシュに包まれた250円。
おばあちゃんの表情を、今でも忘れられない。後にも先にもこの感動は越えられないだろう。

誰かのために始めたわけではなく、自分たちが好きで、太鼓を叩きたくて本町祇園太鼓を復活させたが、その想いは音とともにこれからも多くの人の心を響かせるだろう。

▽徳留さんにとって本町祇園太鼓とは
『私にとっては、夏そのもの。
五月に始まり七月には燃え尽きる、まるでセミのように。今年も夏を後悔することのないよう、燃え尽きます』と笑顔で話す徳留さんは、既に心を躍らせていた。

時代の流れに逆らえず、本町祇園太鼓がまた途絶えることがあるかもしれない。
たとえ途絶えても、今の子どもたちが大人になった時思うだろう。
「あの頃の大人たちのように太鼓を叩きたい」
出水の夏の伝統は絶えず引き継がれていく。

出水の夏が、はじまる。

■第41回目 夏祭りいずみ 鶴翔祭
耀(かがやけ)全力夏祭り

7/22(土) @本町通り商店街
18:00~ 総踊り大会

23(日) @多目的グランド
16:00~ 演芸大会
20:00~ 花火大会

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