令和3年度から、GIGAスクールによる一人一台端末を本格的に活用した教育が始まった垂水市。ここでは、市民の皆様に、GIGAスクールはどういったものなのか解説するとともに、各校の取組を紹介することで、GIGAスクール構想を基にした教育に親しみを持っていただければと思います。
■「交流」と「発信」で確かな力を!
右のグラフは、全国学力・学習状況調査で中学3年生に、授業におけるICT機器の活用について尋ねたアンケート結果です。
「ほぼ毎日」と回答した割合を比較すると、本市では令和4年度が約27%で、令和5年度は約65%と増えており、県や全国に比べてもICT機器の活用が進んでいることが分かります。
しかし、ICT機器の活用は目的ではなく、手段です。子供たちの学力や情報活用能力の育成のために活用されることが大切です。
そこで、令和5年度は、「交流」と「発信」をテーマにGIGAスクールの取組みを進めてきました。「交流」では、他者との学び合いにおいてICT機器を活用することで、協働的な学習を充実させたり、他校との遠隔合同学習を行ったりして、より深い学びを追求しているところです。また、「発信」では、本市の豊かな自然や産業・文化等の体験学習を通して学んだことについて、目的意識をもって表現したり、表現の内容や方法を吟味したりして、子供自身が学びの達成感を味わい、思考力・表現力を高める活動を工夫しています。3学期は、AIドリル等も活用しながら一年間を振り返り、「交流」と「発信」をテーマに子供たちの力を更に高める活動の展開が期待されます。
■タブレット端末を活用した音楽の授業
垂水小学校では、今年度、3~6年生で、ヤマハデジタル音楽教材を活用しています。
この教材(ソフト)は、タブレット端末を操作しながら視覚的・聴覚的にソプラノリコーダー練習をすることができる教材です。お手本や指づかい、楽譜といった解説動画を自由に見ることができ、採点(録音)機能で自分の演奏を振り返ることもできます。
特に、この採点(録音)機能は児童のモチベーションアップにつながっています。友達や先生、いわゆる「人」に聴いてもらうことももちろん大切ですが、「ソフト」に客観的に評価をしてもらい点数が出ることは、改善点を得るなど新たな学びの刺激になっています。
一人一人のタブレット端末にソフトが入っているため、音楽の授業だけでなく、昼休みに友達と点数を競いながら練習する児童もいます。また、週末や夏休みには、タブレット端末を持ち帰り、自分の挑戦したい課題に取り組むなど、個別最適な学びにもつながっています。
この教材を活用することで、児童による主体的な学びを促進し、効率よくソプラノリコーダーの技能が高められています。
11月に行われた市音楽発表会では、練習を積み重ねた4年生がリコーダーで素敵なハーモニーを奏でました。今後もデジタル教材を活用しながら、音楽を楽しむ児童の育成を目指していきます。
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