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人のとなりに

10/22

鹿児島県 薩摩川内市

温泉ソムリエ師範 六三四(むさし)さん

体も心も温まる温泉。本市には、地域の人に愛され、市外からのお客さんも通う温泉が多数あります。
今回は、温泉を愛し、その魅力や楽しみ方、そして、これからの賑わいなどについても考える温泉ソムリエ師範六三四さんの思いに寄り添います。

■温泉との出会い
「祖母と一緒に高城(たき)温泉で湯治(とうじ)をしたことが温泉と出会ったきっかけ」と話すのは、本市出身で温泉ソムリエ師範の六三四さん。「温泉は究極の息抜き」と言います。温泉ソムリエ協会が認定する温泉入浴の専門資格を持ち、温泉ソムリエ認定セミナーの全ての講座の講師ができる師範は全国で5人(西日本で1人)だけ。これまで全国3000カ所を超える温泉に入浴した経験やこれまで学んできたことを、年間100以上の講演の中で伝えています。

■温泉の楽しみ方
「自分に合う温泉とは、入浴後に気持ちが良い状態が続くか続かないか」と言います。成分の種類などを見ると、1つとして同じ温泉はなく、温泉の効用も千差万別。自分の好みや体調に合った温泉を知り、温泉の特徴を把握しておくと温泉選びが楽しくなるそうです。
「温泉といっても、急に入るのは体に負担が掛かるため、かけ湯やかかり湯をたっぷり浴びることが大切。1回の入浴は温泉マークの湯気の本数である3回に分けて入ることが、血圧の急な上昇を抑えるおすすめの入浴法です」と言います。また、恥ずかしがらず「あ~」と息を吐きながら入浴してもらいたいそうです。そうすることで、浮力を利用したリラックス効果を得ることができるとのこと。

■温泉は「諸刃の剣」
入浴で最も気を付けてほしいことは熱中症。温泉は体に良い反面、水分補給を怠ったり、無理をして長湯をしたりすると、命を落とす危険もあります。1回の入浴で約800ミリリットルの水分を失うため、入浴15分前の水分補給が重要とのこと。「寒い季節になると、血圧の急激な上下変動で起こる『ヒートショック』にも気を付けないといけないので、水分補給を忘れずに安全に楽しんでほしい」と話します。

■情報発信を仕事に
温泉特有の臭いは硫黄ではなく、硫黄と水素の化合物である硫化水素。温泉でよく聞く「効能」は法律上では使われておらず、正しくは「適応症」。このような温泉に関する正しい情報を伝えていきたいと話す六三四さん。
県内各地で行っている浴よく育いく授業ではこれまでの自身の実体験を基に、温泉でのマナー、正しい入浴方法などのさまざまな温泉情報を伝えています。温泉に行く人が減ったこともあり、正しい情報を知らない人が多いそう。自身も幼い頃に温泉で走り、湯船で泳いで、客に叱られたことが、正しい温泉の入り方を伝える「浴育」の原点となったそうです。「高城温泉が無ければ今の自分は存在していないと言っても過言ではない」と言います。

■温泉力+α(アルファ)の力
温泉を残していくためには、歴史、自然、文化、食など、その温泉地域ならではの「独自性」を生み出していくことが重要になるそうです。また、「さまざまなデータから見ると、昔のような活気ある温泉街に戻る可能性はわずかで、『温泉力+○○』が鍵となってくる」と言います。
どのように温泉地周辺の町づくりをしていくか、どのように温泉の魅力を若者へ発信していくか、将来の「温泉」を考える六三四さんは、これからも未み湯とうの地を探し求めます。

◇「人のとなりに」とは…
文字通り、その人の隣にいて、思いに寄り添うことや人柄を表す言葉「人となり」をイメージしたコーナーで、人物や活動の紹介だけでなく、その人の思いにスポットを当てることを目的としています。

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