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市長独言 No.74…祭りに息づく歴史

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鹿児島県西之表市

羽柴秀吉が城下町を開いて450年になる滋賀県長浜市で今年も曳山まつりが開かれました。同市と西之表市は、戦国時代の火縄銃が縁で1987(昭和62)年に友好都市盟約を結んでいます。西之表市は鉄砲伝来480年にあたり、互いに記念の年でもあります。この4月、大阪市で3年ぶりに開かれた関西種子島あかおぎ会出席に合わせて長浜に立ち寄り、私は初めて曳山まつりを見学することができました。
琵琶湖湖畔の長浜に伝わる曳山は、なぎなた山1基と、四畳半の舞台を備えた12基の計13基があり、毎年4基の当番山がこども狂言(歌舞伎)を上演します。長浜八幡宮に歌舞伎を奉納する最初の常磐山の演目は「鬼一法眼三略の巻今出川菊畑の場」。平治の乱で敗れた源氏の家臣だった兵法学者吉岡鬼一法眼は、今はなぜか平家側についています。鬼一の弟である鬼三太と主君の牛若丸(義経)は身分を偽って鬼一の館の奉公人になりすましますが、素性を知られた清盛の使者を切り倒し、秘蔵の虎の巻を入手。鬼一の娘皆鶴姫も絡ませた、手に汗握る物語です。大見えを切るこども役者の姿は小気味よく、愛らしいものでした。
曳山まつりは、秀吉が待望の男子誕生の祝いに町衆に砂金を与え、曳山が造られたことに由来します。街中に三味線や笛、鉦(かね)のはやしが響いていました。種子島でも今年は鉄砲まつりが開かれ、南蛮行列が復活、祇園の太鼓山や山車も登場することでしょう。
「種子島家年中行事」(熊毛文学会発行)によれば、江戸時代の正月には島主の館で、西町は大黒の舞、東町は恵比寿の舞を披露したそうです。種子島に伝わる踊りや芸能には歴史が息づいています。私たちも、ふるさとの祭りをしっかり盛り上げていきたいものです。

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