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【人の風景】霧島に生きる Vol.181

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鹿児島県霧島市

■科学の未来に挑む高校生
科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業。令和4年度の指定校は全国で217校、県内では5校が指定されています。県立国分高等学校は平成30年8月、指定1年目にして全国SSH生徒研究発表会で文部科学大臣賞を受賞。その後も活躍を続けた同校は今年3月、中高生の国際科学アイデアコンテスト・つくばサイエンスエッジで鹿児島エビ班・ボルタ電池班が金賞を同時受賞する快挙を達成。文部科学大臣賞も受賞した鹿児島エビ班は、世界大会・グローバルリンクシンガポールの出場権を獲得しました。
「小さい頃から昆虫が大好きでした」と話すのは、同校3年で鹿児島エビ班の班長を務める津﨑貴博さんです。30年前の調査記録よりも多くの種が天降川に生息していることを知り、津﨑さんは「何か理由があるのでは」と研究テーマを設定。四季を通してエビを採集し、生態や体長、水温変化などのデータを収集する日々が始まりました。
2年生になるとさまざまな大会で発表する機会が増え、「膨大なデータを10分程度の発表にまとめるのが大変でした。解析が進むにつれ、大会で受賞するようになってうれしかった」と振り返ります。
いつも3人で発表していましたが、全国大会では1人。「みんなの分まで頑張らなければという思いでした。これまでの経験のおかげで緊張せずに発表できた」と笑顔を見せる津﨑さん。7月の世界大会に向け「仮説の検証や裏付けデータの収集に努めたい」と話すように、エビ班の挑戦は続きます。

「小学生の頃から理科の実験が大好きでした」と話すのは、同校3年でボルタ電池班の班長を務める大小田拓生(おおこだたくお)さんです。理数科なら理科の実験がたくさんできると思い、同校に入学。化学担当の先生が「ボルタ電池の電解液はなんで黄色になるんだろう」とつぶやいているのを聞き、仮説を立てて検証を始めました。いくら調べても確かな理由が分からず、研究テーマに設定します。
「よく知られているボルタ電池でさえも、まだ分からないことがあったことに面白さを感じた」と楽しそうに話す大小田さん。さまざまな検証を行いますが思うような結果が得られず、「迷宮に迷い込んだようだった」と苦労をのぞかせます。
地道に検証を続け、原因を突き止めたボルタ電池班は、県大会で最優秀賞を受賞。夏に開催される全国高等学校総合文化祭・2023かごしま総文に県代表として出場します。「目標は1位」と言い切るその目は、地道な努力に裏付けされた自信にあふれています。

●鹿児島エビ班
▽Global Link Singapore(グローバルリンクシンガポール)
期間:7月29日(土)〜31日(月)
場所:シンガポール

津﨑貴博さん(18)
理数科3年。好物はナスの天ぷら。国分在住。

町田征彦(まさひこ)さん(17)
理数科3年。カラオケではボーカロイドの歌を熱唱する。国分在住。

川野秀斗(しゅうと)さん(17)
理数科3年。バスケットボールと磯辺餅が好き。国分在住。

●ボルタ電池班
▽2023かごしま総文
期間:7月29日(土)〜8月4日(金)
場所:鹿児島市ほか

大小田拓生(おおこだたくお)さん(17)
理数科3年。好物は地鶏の刺身。国分在住。

吉村有結(あむ)さん(17)
理数科3年。特技は弓道とパズルゲーム。隼人町在住。

岡村香佳(きょうか)さん(17)
理数科3年。戦略性のあるスマホゲームがお気に入り。国分在住。

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