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自治体の皆さまへ

帰るべき場所へ帰るために

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鹿児島県霧島市

守られる立場の歩行者であっても、ルールを守らなければ事故の原因になることも。自分が交通事故を起こさないために、気を付けるポイントを竹下さんに聞きました。

「自動車対歩行者」の事故累計別歩行者死亡事故件数(平成30年〜令和4年)

横断中のうち横断場所の内訳

※警察庁ホームページ「交通事故の発生状況」を基に作成。

平成30年から令和4年までの5年間で、自動車と歩行者の衝突による死亡事故は全国で4678件、そのうち約7割は歩行者が道路を横断中に発生しています。
竹下さんは「横断歩道は歩行者が最優先であり、歩行者にとっての絶対安全領域でなければなりません。横断中や横断しようとしている人がいるときは、その通行を妨げてはいけません。横断歩道の手前で止まるなどしなかった場合には、横断歩行者等妨害等違反という罰を受けることになります」と注意を呼びかけます。

■命を守るアイコンタクト
歩行者最優先であっても、自分の命を守れるかどうかは、自身の確認や行動次第。「安全であるはずの横断歩道であっても、死亡事故は発生します。大切なのは、自動車を運転している人にとって歩行者は見えづらいという点を忘れないこと。横断歩道を横断するときは、単に左右を確認するだけでなく運転者の目線を確認し、自動車が停止してから渡りましょう」。

■交差点では右折車にご用心
歩行者と自動車の事故の約7割が、信号機のある交差点で発生しています。そのうち約6割が、右折車との事故。「信号がある交差点での右折車は、対向車の動きや右折先の状況など、複数の事項に対して同時に注意を向ける必要があり、横断歩道の安全確認がおろそかになりがちです。そのため、急いで右折しようとする自動車には特に注意が必要です」と竹下さんは力を込めます。
「たとえ歩行者用の信号が青であっても、右折車の動向に注意しましょう。渡る時は、運転者が自分を認識していると思い込まず、しっかり目を合わせることが大切です」

■知っていますか緑切符・黄色切符
歩行者や自転車などに注意を促す歩行者指導警告書(緑切符)や自転車安全指導警告書(黄色切符)などがあることを知っていますか。悪質な場合には罰金の対象になることもあります。
道路を横断中に発生した死亡事故の約7割に、走行している自動車の直前・直後を横断するなどの法令違反がありました。竹下さんは「警告対象となる項目は12種類あります。その中でも特に気を付けてもらいたいのが、自転車運転中のイヤホンなどの使用。周囲の音は安全運転をするための重要な情報の一つです。好きな音楽などを聴きたい気持ちは分かりますが、命と引き換えにはできないはずです」と訴えます。

◆私たちの身近で交通事故が増えていることを紹介した今回の特集。昨年の霧島市内の交通事故死傷者数は357人でした。この数字を聞いて多いと感じますか、少ないと感じますか。もしこの人数が交通事故によるものではなく、他の犯罪によるものだとしたらどうでしょう。あなたや大切な家族は、安心してまちを歩けますか。実際にこれだけ多くの人たちが、私たちの身近で傷ついています。
少しの確認や注意で、自分や他人の命を守ることができます。事故が人の幸せな時間を奪うのは、一瞬のことです。笑顔で「おかえりなさい」と言える当たり前の生活を守るために、一人一人が当たり前の交通マナーを実践しませんか。

▽信号機のある交差点での右折車両と横断歩行者の事故の事例
信号機のある交差点で発生する横断中の歩行者と自動車の事故(平成23年~令和2年)で、自動車の行動分類別の割合は、右折63.6%、直進18.6%、左折12.7%、その他5.1%です。
(公益財団法人交通事故総合分析センター「イタルダインフォメーションNo.140」より)

●INTERVIEW
▽横断歩道を渡りましょう
市交通安全母の会会長
林 正子さん(70)
市内の保育園や学校などに通う子どもの母親や婦人団体が、子どもや高齢者を交通事故から守るために活動しています。季節ごとにある交通安全運動では交通立哨を行い、9月には敬老の日に合わせて高齢者への交通安全啓発を行います。以前、交通立哨をしている時に、近くに横断歩道があるにもかかわらず、横断歩道のない場所を横断する保護者を見かけてひやひやしました。まずは大人が交通ルールを守り、子どもの模範となりましょう。

■ヘルメットを着用しよう
県は「かごしま県民のための自転車の安全で適正な利用に関する条例」で、自転車の利用者は乗車用ヘルメットの着用に努めるものと定めています。今年4月1日から、道路交通法でも全ての自転車の利用者に対して、ヘルメットの着用が努力義務になりました。

▽ヘルメット一つで助かる命
国分在住
原口 智子さん(63)
友人から自転車を譲り受けたのがきっかけで、ヘルメットを購入しました。自分に合うサイズがなかなか見つからず、ジュニア用を着用。目立つようにと選んだ赤色のヘルメットは、私のお気に入りです。事故に遭ったけどヘルメットのおかげで助かったという話も聞きました。最近少しずつヘルメット着用者を見かけるようになりましたが、まだまだ少ないと感じます。帽子タイプなどもあるようなので、気に入った形の物を探すのもいいですね。

▽見た目より命が大事
隼人工業高校電子機械科1年
唐仁原 光希(みつき)さん
中学生の時も自転車通学だったので、ヘルメット着用に抵抗はありませんでした。親の勧めもありましたが、自分にとってヘルメット着用は当たり前のこと。高校入学の前に家族でお店を巡り、お気に入りのヘルメットを探しました。見た目が気になるとか、かぶると暑いという話を聞きますが、命に代えられるものではないと思います。着用が努力義務になってから、祖母もヘルメットを着用しています。大人の着用者が増えれば、学生の手本になるのでは。

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