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自治体の皆さまへ

当たり前の日常を当たり前に

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鹿児島県霧島市

関わった全ての人を不幸にしてしまう交通事故。
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、
交通量が増えた今、増加傾向にあります。
交通事故の当事者にならないために、
私たちは何ができるのでしょうか。

「霧島市は高速道路や鉄道などの交通網が発達しており、県内外でも有数の観光都市。古い街並みと新しい市街地が混在し、人の動きが多くて速い。そういったまちは、いろいろな所に危険が潜んでいます。交通管理者としては、非常に悩ましい」と話すのは、霧島警察署交通課長の竹下直志さん(45)です。

■交通事故の現状
昨年、市内で起こった人身事故の件数は減少しているものの、今年に入ってからは事故件数が大きく増加しています(表)。
昨年の人口1万人当たりの市町村別交通事故死傷者数は29人。平成28年以降、霧島市は県内ワースト1位が続いています。竹下さんは「人身事故・物件事故ともに増加しており、特に物件事故の大幅な増加は気がかりです」と表情を曇らせます。

■基本に忠実に
「物件事故といっても、人身事故につながらなかったことが不幸中の幸いなだけで、事故がいつ人の命を奪うかは分かりません。事故の原因の多くは、実はただの確認不足だといえます。何事においてもいえることですが、一番大切なことは基本を守ること。皆さんが自動車学校で習ったことを実践できれば、事故は防げるはず」と竹下さんは語気を強めます。

■人身交通事故の特徴
時速40キロメートルで走行する車が1秒間で進む距離は約11メートル。一瞬の油断で車両は、走る凶器へと変わります。
昨年、市内で発生した人身事故の6割以上が追突事故と出合い頭の衝突事故です。その原因は前方不注意、安全不確認、動静不注視などの安全運転義務違反が8割を占めます。「毎日通る道路ほど慣れが生じ、漫然運転につながるため、事故を起こす可能性が高くなる」と竹下さんは話します。

■「行ってきます」と「ただいま」が当たり前のまちに
学生時代、交通事故で友人を亡くした経験がある竹下さんは「元気よく『行ってきます』と出かけ、元気よく『ただいま』と帰り着いてほしい。そんな当たり前の日常を守るためにも、私たち警察は毅き然ぜんとした態度で交通管理に臨まなければなりません。ほとんどの交通事故では過失の大小はあれど、当事者双方に事故を起こした責任があります。一瞬の油断や気の緩みで起こした事故は、当事者だけでなく家族や友人までをも苦しめることになります。事故を起こさないためにも、普段から基本を大切にしてほしい」と訴えます。

●INTERVIEW
霧島地区 安全運転管理協議会会長
鎌田 善政さん(76)
▽基本を忘れず指さし確認
一定数以上の自動車を保有する事業所は、道路交通法に基づいて安全運転管理者を選任しています。
市内には現在、274社が協議会に加入し、510人の安全運転管理者が在籍。交通事故を減らすために、従業員への安全運転指導などを行っています。何事も基本が大切で、普段から危険箇所を指さし確認している企業ほど交通事故の割合が低いようです。これからも事業所単位での交通安全指導を進めるため、企業の参加を呼びかけていきます。

【夏の交通事故防止運動】
令和4年中、中学生以下の子どもが関連する交通事故は県内で407件発生しています。子どもたちが夏休みに入るこの時期は、道路への飛び出しや危険な自転夏の交通事故防止運動車通行などによる交通事故の増加が予想されます。思いやり運転を心がけ、事故防止に努めましょう。
期間:7月11日(火)〜20日(木)

(表)令和5年中の交通事故発生状況(5月31日現在)

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