学芸員オススメ! No.91 市立美術館の逸品

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■藤本東一良(ふじもととういちりょう)『ヨットハーバー(鹿児島)』
□ヨットと桜島が織りなす風景
燃ゆる感動かごしま国体・大会がいよいよ開催されます。今回紹介するのは、昭和47年に開催された、第27回国民体育大会「太陽国体」のヨット競技会場となった本市平川町のヨットハーバーを描いた作品です。
藤本は戦後のヨーロッパ留学後、昭和30年代にヨットを題材としたフランスの風景を多く発表しました。その多くは、陸に揚がったヨットのある風景画ですが、本作は桜島がもうひとつの主役となっています。錦江湾の水平線やヨットのポールが織りなす直線的な構成の前景に、噴煙たなびく桜島の有機的な背景が組み合わされ、静と動の対比がダイナミックで面白い空間を生み出しています。
再びこの地で開催される国体競技。本作をご覧いただき当時の情景に思いをはせながら、現地で躍動する選手たちを応援してみてはいかがでしょうか。

※12月10日(日)まで開催する「秋の所蔵品展」で展示しています

問合せ：市立美術館
【電話】224-3400【FAX】224-3409