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芭蕉翁記念館だより

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三重県伊賀市

5月は大型連休もあり、初夏のさわやかな風に誘われてどこかに出かけたくなりますね。
連休のなかには「こどもの日」(端午(たんご)の節句)があります。本来は、中国から伝わった邪気を払うための行事で、旧暦の5月5日(新暦では令和5年は6月22日にあたる。)に行われました。平安時代には「端午の節会(せちえ)」として宮中行事にもなり、香りのある菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)などを軒先に飾りました。端午の節句が男児の行事となったのは江戸時代で、武者人形や鯉のぼりもこのころから飾るようになります。芭蕉が詠んだ端午の節句の句が『奥の細道』に記されています。

寺に入て茶を乞へば、爰(ここ)に義経の太刀(たち)、弁慶が笈(おい)をとどめて什物(じゅうもつ)とす。
笈も太刀も五月にかざれ紙幟(かみのぼり)
五月朔日(ついたち)の事也。

5月1日に『平家物語』ゆかりの地である医王寺(いおうじ)(福島県福島市)に訪れたとき、寺の宝である源義経の刀と弁慶の笈を見たと記されています。源平の合戦を偲(しの)びながら、芭蕉は、端午の節句に飾る紙幟とともにこの刀や笈も飾ってほしいと詠んでいます。紙幟とは紙の幟旗のことで、芭蕉の時代の端午の節句には、この幟旗に武者絵などを描いて飾りました。
芭蕉と同時代に活躍した浮世草子作家の井原西鶴は『好色一代女』に「幟は紙をつぎて、素人絵を頼み」と書き、端午の節句に義経や弁慶の絵を描いた紙幟を飾った様子を描いています。

◆企画展「俳句で親しむ季節の行事」開催中
6月25日(日)まで
◆ギャラリートーク
5月4日(木・祝)・6月3日(土)午後1時30分~(入館料が必要です。)

問合せ:
・文化振興課【電話】22-9621【FAX】22-9619
・芭蕉翁記念館【電話】21-2219

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