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自治体の皆さまへ

見えない壁を乗り越える(2)

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三重県四日市市

お互いの間にある壁をなくしたい

■教えることは学ぶことそして私の生きがい
多文化共生サロン日本語ボランティア 多村清さん

私は、平成17年から日本語ボランティアとして、外国人に日本語や日本の文化・ルールなどを教えています。もともと、人に何かを教えることが好きで、大学生のときから、近所の中学生に無償で英語を教えていました。3人の中学生から始まり、「この子達が卒業したら…」という繰り返しで、気付いたら30年続いていました。
この指導が一段落した後、四郷地区市民センターで行われていた外国人と交流するサークル活動に参加しました。しかし、外国人市民が多く住む笹川団地からは会場が遠いと感じ、通いやすいところに交流の場を作るべきだと考え、現在の多文化共生サロンの立ち上げに携わりました。
初めは日本語が全く分からない学習者がほとんどですが、半年後には簡単な会話ができるようになり、その成長を感じられるのがとても嬉しい。そして彼らから学ぶこともたくさんあり、私の生きがいとなっています。もっと日本人が外国人と交流できる機会が増えたら素晴らしいまちになると思います。

■同じ釜の飯を食うそれがまず相手を知る第一歩
(株)リョウシンホールディングス 中古車本部
主任 武良(むら)健志さん
次長 藤原暁雄さん

私たちは、会社で働く実習生を、直接現地で面接し採用しています。実習生は、日本で働くための研修などを経ているため、当初はある程度日本語を理解できるという前提で接していて、あまり交流をしていませんでした。しかし、異国の地で、不安や孤独感を解消できない状況が続くと、仕事への意欲も喪失してしまうと思い、彼らと距離を縮めるため、まずは一緒に食事をする機会を作りました。食事をする中で会話も生まれ、彼ら自身を知ることができました。そこから、だんだんと彼らに笑顔が増え、仕事も円滑に進むことが多くなり、互いに信頼関係が生まれ始めたと実感できました。彼らへの接し方を考えることは、他のスタッフへの指導にも応用できるなど、私たちも彼らからたくさん学ばせてもらっています。このように、私たちが彼らと一緒に勉強をし成長することが会社の成長にもつながります。母国に帰った実習生が日本の良さを広め、働く場として、他の多くの国の中から日本を選ぶ人が増えるという良い循環を作っていきたいと考えています。

■ボランティアの皆さん、多文化共生サロンの皆さん
テイシェイラ カバルカンテ イバニルトンさん

19年前にブラジルから日本に来ました。日本に来た当初、会社ではブラジルの人としか会話ができず、仕事の指導は通訳を通じて受けていました。でも通訳が毎日いるわけではなく、日本人に仕事を聞くことができず、辛い思いをすることもあり、日本人と会話がしたいと思っていました。けがをし、働けない期間があったことをきっかけに、多文化共生サロンに通い始めました。サロンに通って4年目になり、簡単な読み書きはできるようになりました。ボランティアさんとサロンの皆さんのおかげです。
勤務時間の関係上、日本人との交流の場に参加したくてもできない外国人もいます。困難なことがあってもお互い意見を出し合って皆で解決していけるような交流の機会が増えてほしい。そうして皆が仲良く住めるまちになってほしいです。

■皆優しくてとても良い会社です
(株)リョウシンホールディングス 中古車本部
ヒエウさん
ダットさん
ティエウさん
ファンさん

私たちはベトナム出身で、日本に来てまだ6カ月しか経っていない人から4年目の人まで一緒に働いています。仕事内容は、自動車のメンテナンスや整備など、中古車を売り出せる状態にすることです。この技術を母国に持ち帰り、母国での仕事につなげられればと思っています。
最初は、日本語の理解が難しく苦労する場面もありましたが、今は、武良さんなどからの優しい指導のもと良い環境で働けています。
日本に来て一番楽しかったことは、伊勢神宮に連れて行ってもらったことです。これをきっかけに、日本各地へ旅行に行きたいと思うようになりました。
職場で、頼れるお父さんのような存在の人がいること、チームの雰囲気がユーモアにあふれていることで、とても楽しく働いています。武良さんたちの役に立てるよう、もっと仕事に励んでいきたいと思っています。

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