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《特集》一度は見てほしい!秋彩る3つの伝統行事(2)

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京都府京田辺市

■〔大住隼人舞(はやとまい)〕6つの勇壮な古代の舞
大住隼人舞は、大住地域の月読神社と天津神社で、毎年10月14日の夕刻に奉納される舞です。昭和45年に同地域の人たちが中心となって、鹿児島県の日枝(ひえ)神社に伝わる隼人舞をモデルに約500年ぶりに復元しました。昭和50年、田辺町(現京田辺市)無形民俗文化財第1号に指定されると、翌年には大住隼人舞保存会が結成され、現在まで受け継がれています。

◇隼人の歴史
大住隼人は、今から1千300年ほど前に九州の大隅地域から、現在の大住地域に移住した人々のことで、「大住」の地名もそれに由来します。隼人の人々は当時都であった平城宮の警備や芸能活動を行い、朝廷に奉仕したといわれています。

日にち:10月14日(土)
時間・場所:
・午後6時30分から・天津神社
・午後7時30分から・月読神社
公共交通機関で来場してください。

◆〔Interview〕伝統の守り人
大住隼人舞保存会 会長 石坂清さん(68)
農業委員も務めており、公私ともに農業に関わっています。海外のミステリードラマをよく観賞します。

~舞人の経験者が指導者になり技術を継承~
◇苦労したことは
コロナ禍においては、さまざまな苦労がありました。令和2・3年はやむなく奉納を見送りましたが、これ以上中止を続けると、舞や舞台設営の継承が困難になる懸念がありましたので、令和4年は感染防止対策を徹底しながら開催にこぎ着けました。舞人(まいと)のバス移動での感染リスクを考え、奉納場所を月読神社のみとしたことや、飛まつ感染のリスクを伴う龍笛(りゅうてき)奏者の練習をオンラインで行うなど、さまざまな工夫をしました。今年は、4年ぶりに天津神社と月読神社の両方で奉納ができそうです。

◇舞人について
これまで大住地域の中学生が舞人を務めていましたが、子どもの数の減少に伴い人材確保が難しくなってきました。そこで、月読神社の氏子を基本としつつ、年齢や居住地の枠を広げ、現在は、高校生や大住ケ丘・花住坂にお住まいの方にも舞人になってもらっています。
舞人は夏休み前から本番直前まで、計6回の練習をしています。舞は6種類あるので、1人1種の習得を目指しますが、当日の病欠などを考慮して、何人かの舞人には、2種類覚えてもらっています。また、舞人の経験者などに指導者になってもらうことで、技術を継承しています。

◇今後の思い
大住隼人舞のルーツとなる鹿児島県大隅地方に伝わる隼人舞の歴史・背景などに舞人が触れられるよう、鹿児島県との交流を進めていきたいです。

◇市民へのメッセージ
奈良にある平城宮跡資料館には、平城宮跡から出土した「隼人の盾」の原寸大レプリカが展示されています。隼人舞への理解がさらに深まりますので、一度ご覧になってはいがでしょうか。

◆豆知識 「隼人の盾」が迎えるストリート
近鉄新田辺駅西側の田辺大通りには、魔除けの紋様が入った隼人の盾が描かれています。

◆大住隼人舞を動画でチェック!
府地域文化活性化連絡協議会の公式ユーチューブ(本紙4ページの二次元コード参照)で大住隼人舞の紹介動画を視聴できます。

◆奉納される6つの舞
大住隼人舞は6つの舞から構成されています。舞人を務める地元中学生・高校生が、古代装束を身にまとって剣や盾などの武具、鈴などを持ち、太鼓や笛の音に合わせて踊ります。(1)から(6)の順で奉納します。

(1)お祓(はら)いの舞
神々を迎えるために、舞台を清めます。

(2)神招(かみおぎ)の舞
舞台に「月読の神」「天津神」「国津神」など八百万(やおよろず)の神々を呼び招きます。

(3)振剣(ふりつるぎ)の舞
けがれを払い、隼人の勇ましさを誇示します。

(4)盾伏(たてふせ)の舞
盾を持ち、外からの悪霊を防ぎます。

(5)弓の舞
弓の技術を誇示し、狩猟の豊かさを祈ります。

(6)松明(たいまつ)の舞
八百万の神々に感謝を表します。

◆舞の盛り上げに一役
◇隼人踊り
大住隼人舞復元の際に創作された「隼人踊り」。地元の小学校の女子が花笠をかぶって華やかに踊ります。

◇龍笛の演奏
古代の空間にいざなう龍笛の音色。地元の小・中学生、高校生が演奏します。

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