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《特集》一度は見てほしい!秋彩る3つの伝統行事(3)

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京都府京田辺市

■〔山本の百味(ひゃくみ)と湯立(ゆだて)〕100種類の野の幸を供え湯を振りまく
「山本の百味と湯立」は、佐牙神社の山本御旅所(おたびしょ)で毎年10月に行われます。
宮津地域の佐牙神社から三山木地域の山本御旅所まで、2基の神輿が太鼓の音とともに約2kmを巡行すると、野菜・果物・穀物など約100種類の「百味」が神前に供えられます。
その日の夜に行われる「湯立」では、大きな釜で沸騰させた神水に、巫女(みこ)が神酒・塩・米を入れます。神官が、その神湯を神前に献上すると、巫女がかねと太鼓に合わせて神楽を舞い、最後に笹で釜の湯をすくい、参拝客に振りかけて無病息災を願います。平成6年、田辺町(現京田辺市)無形民俗文化財に指定されました。

日時:10月8日(日)午後7時から
場所:佐牙神社山本御旅所
公共交通機関で来場してください。

◆〔Interview〕伝統の守り人
佐牙神社 宮総代 代表 林善嗣さん(78)
農業関係の仕事や地域のさまざまな役職に就くことで広がる人脈づくりが人生の楽しみ。一昨年には妻と10年かけて四国88カ所を巡り終えました。

~ダイナミックな湯立を間近に感じて~
◇「百味」のこだわりは
「百味」は、主に山本区内で収穫された野菜・果物・穀物をお供えしており、約80軒ある氏子を中心に提供してもらっています。旬の野菜や日持ちする穀物類は入手しやすいのですが、夏野菜など傷みやすいものは冷蔵庫で保存しています。また、旅行先や仕事の出張先などで、珍しい農産物などを見つけたら購入するように心掛けていて、なんとか毎年100種類の野の幸・山の幸を確保しています。

◇「湯立」のこだわり・苦労は
湯立の主役は湯を笹で参拝客に振りまく巫女ですが、約20年間、その役目を担っていただいていた方が、今年6月にお亡くなりになりました。湯立を行える巫女は珍しく、後任の方を探すのにとても苦労しました。京都を代表する複数の神社の宮司や関係者など、多くの方々に直接相談させてもらいましたが、なかなか見つからず、途方に暮れたこともありました。約1カ月半、諦めずに奔走した結果、なんとか巫女をお願いできる神社が見つかりました。今年も湯立を行うことができそうで、ほっと胸をなで下ろしています。

◇やりがいは
この行事に携わって35年近くになります。地域のために貢献できることは楽しいですし、参拝者の笑顔やダイナミックな湯立の反応を間近に感じると、うれしくなります。

◇今後の思いは
宮座や氏子など関係者の数は年々減少しており、3日間行う秋祭の運営が難しくなってきています。そこで、区民の方々にボランティアとして参加していただけるように、チラシを作って呼び掛けています。地域全体でこの行事を守っていければと考えています。

■認知度 市民にLINEでアンケート
市指定無形民俗文化財について、市民の皆さんにLINEアンケートを行ったところ、515人から回答が寄せられましたので、一部を紹介します。詳しくは、市ホームページをご覧ください。

◇ずいき神輿
47%
「見たことがある」は14%

◇大住隼人舞
59%
「見たことがある」は24%

◇山本の百味と湯立
14%
「見たことがある」は5%

◇感想・意見など
・市民のコミュニケーションツールとして、地元の子どもたちも参加し、継承することが大事(70歳以上)
・由緒正しい祭りなので、海外からの旅行者を含めたくさん宣伝するべき(20歳代)
・伝統行事は、指導者・後継者・資金・地域の理解と協力がそろわないと続かない。そういった意味でその継続力には感嘆するしかない(60歳代)
・京田辺にこれだけ伝統行事があることを知らなかった。学生の街のイメージが強く、開発も進んでいる街なので少し意外だった。もっと伝統行事を発信すれば、若者も興味が出てくるのではないでしょうか(40歳代)

問合せ先:秘書広報課
【電話】64-1320

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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