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自治体の皆さまへ

やる以上は楽しむ それが居母山のルール(2)

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京都府福知山市

■わたしが夜久野を好きな理由
やくの高原まつり実行委員 小田垣咲良(おだがきさら)さん(24)

「物心ついたときには、もう夜久野が好きでした」
そう話すのは、夜久野町に暮らす24歳の小田垣咲良(おだがきさら)さん。実家のパン屋を手伝いながら、やくの高原まつりの実行委員やまちづくり協議会、地域スポーツ・インディアカのメンバーとして、地域を盛り上げる若手を引っ張っています。

◆名前を呼んでくれる 田舎の距離感が好き
夜久野の好きなところは、人との距離が近いところだと話す小田垣さんは、幼少期の温かな思い出をこう振り返ります。
「小学校の登下校時には、地域のおじいちゃんおばあちゃんが一緒に学校まで歩いてくれました。農林商工祭やしだれ桜の祭りで実家のパン屋の売り子さんをすると、みんなが『小田垣さんとこの子か』『大きなったねえ』と声をかけてくれて。おかげで顔見知りが増えて、今でも散歩をしてると、遠くからでも『さらちゃ~ん』と手を振ってくれるんです」

◆一度は都会に それでも帰ってきた理由
高校卒業後は、調理を学ぶため、2年間大好きな夜久野を離れ、大阪での一人暮らしを始めました。
「大阪では、夜でも空が明るくて。アパートの隣に誰が住んでるのかもわからへん、それが田舎に育った私にとってはとても不安でした。夜久野では、夜は涼しくて、星がきれいで、虫やカエルの鳴き声で季節感がわかる。虫は嫌いやけど、やっぱり自然の音と季節を感じられる夜久野が好きです」

◆夜久野のために頑張る 父ちゃんはちょっと自慢かな
「これからも夜久野に住みたい」そう強く心に決める小田垣さんの視線の先には、目標とする父の背中がありました。
「父ちゃんは、消防や祭りの実行委員など、家にいる暇もないくらい色々な役をしていました。大変そうやったけど、夜久野のために一生懸命になってる姿がとにかく楽しそうで。どこに行っても『お父さん頑張っとってやね』って言われるのがうれしかった。父ちゃんは、ちょっと私の自慢かな」
高校2年生の時に、父の後を追い、初めて「やくの高原まつり実行委員会」に参加しました。
「今までは父ちゃんの後について行っていろんなところに顔を出していたけど、実行委員として頑張るうちに、私個人として『よくやってくれとる』って言ってくれる人が増えて。父ちゃんの後ろじゃなく、私を認めてもらえるのが嬉しかったです」
父や地域で頑張る先輩の背中を追いかけ、今では実行委員会の若手を引っ張るリーダー的存在となるまでになりました。

◆夜久野に住んでよかった 自分がそう思いたいから
大好きな家族や友達、地域との思い出の詰まった夜久野。しかし、地域の高齢化は進み、人口は急速に減少しています。
そんな夜久野で、小田垣さんはかつて背中を追いかけた父と同じように、自らが様々な組織に所属し、地域活動に励んでいます。その原動力を尋ねると、「卒業した小学校がなくなって、保育園が閉まって、正直、寂しいなって思います。だからこそ、ここに居る人が、一人でも居続けられるように守っていきたい。
残った人が、やっぱり夜久野が好きって思ってくれたら嬉しいし、ここに住んでよかったと思ってもらえたらいいなって思います。何より、自分がそう思いたいから」

◆自然と人ーそれくらいしかないけど、だからいいのかな
「私にとって夜久野は、大事な居場所です。居っていいよって受け入れてくれる感じがする」
小田垣さんは、夜久野の自然と人が好きだと繰り返します。
「自然と人―逆にそれくらいしかないけど、だからいいのかな。限られたものだからこそ、それだけを大事にしようって思える。大事なものをいっぱい持とうと思ったら、手のひらから落ちていきそうで」
大好きな夜久野を守るため、「私にできることを全力でがんばります」と微笑む小田垣さん。その瞳に映るのは、大切な故郷に暮らし続ける、家族や地域の人々の明るい未来です。

○関わるみんなが大きな家族
咲良ちゃんのように、若い人たちが楽しんで実行委員をやってくれることが本当にうれしいです。やくの高原まつりは、企画から当日の司会までほとんどを自分たちで担います。原稿を考え、ステージ裏を走り回って、一生懸命自分たちでまつりを成功させることこそが、「やくの高原まつり」の良さだと思っています。
やくの高原まつりが始まって31年。私自身、様々な活動をする中で夜久野に居場所を感じ、今では関わる人みんなが大きな家族です。これからも夜久野高原の芝生の上に集まって、人とのつながりを大事にしながら、まつりを50回、60回と続けていってほしいです。

スタート時からまつりを支える
やくの高原まつり実行委員会事務局
夜久早百合(やくさゆり)さん

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