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善聞語録 159

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京都府綾部市

■本格的なAI時代
対話型のAI(人工知能)ツールが話題になっている。人間の話し言葉を理解し、人間が理解しやすい文章を作る能力を獲得したソフトだ。あらゆる質問に対し、AIが過去の膨大な文献を読み解き、さらには将来の予想も含めて最適の回答を短時間に導いてくれる。諸々の挨拶文や手紙の返信、作詞作曲から今夜食べたいメニューの選択までしてくれる夢のソフトの出現だ。著作権や個人情報の取り扱い、あるいは間違った回答をした場合の賠償責任など課題も指摘されているが、ここまで発達した魔法のようなソフトがこれからも不可逆的に進化することは間違いない。
もはや囲碁、将棋やチェスの世界で、AIが勝つか人間が勝つかの議論は過去のもので、それは人間と自動車が速さを競っているかの如きであるらしい。その意味では、オリンピックの100m競争は生身の人間が持つ脚力の限界に挑戦する意味において意義があるように、囲碁、将棋やチェスにおいてもまた然りなのである。
AIを内蔵したロボットも人気だ。ペットに似せて動物を模したもの、また人間の言葉で会話を楽しめるものなどが既にあり今後のさらなる進化に期待する一方、昭和生まれの我々の世代にとっては、あまりにも急な変わり様に不安というか畏怖(いふ)の念さえ覚える。一番気にかかるのは、ロボットに人間の喜怒哀楽が理解できるのか―。すなわち「感情認識AI」の開発が可能なのか?であるが、専門家によると怒りや欲望などの認識は可能らしい。それを踏まえての〝微妙な返し〞までは今後の課題といい、しかしそれさえも時間の問題であるとも言われると、いずれ人間と喜怒哀楽を共有するロボットの出現も夢ではない。語呂合わせだが、AI=あい(愛)とも読める。私の目の黒いうちに拗(す)ねたり、甘えたり、Loveの駆け引きをするロボット(〝ラボット〞?)が誕生するのであろうか。楽しみがまたひとつ増えた。
山崎善也(綾部市長)

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