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【特集】地域で支える教育(4)

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兵庫県三田市

(3)学校部活動の地域移行に向けた取り組み
「学校部活動の地域移行」とは、これまで学校ごとに自主的に行われてきた部活動を、市内の地域スポーツ・文化・芸術団体などに移行し、「地域クラブ活動」として運営していくものです。
国は令和5年度から令和8年度までの3年間を「改革推進期間」と定め、まずは休日の部活動の移行を目指しています。
三田市では、今年度から国の実証事業としてフラワータウンにある市立中学校2校(狭間・富士)の3つの部活動で、部活動指導員が中心となる合同部活動を導入しています。これを地域クラブ活動の母体とし、休日の活動から地域に移行していきます。さらに、この取り組みを市内の全ての公立中学校に広げていく予定です。

■期待する効果
・複数校合同による学校の枠を超えた生徒・教員の協力
・専門性を持つ指導員の指導
これらにより…
▽多様化・専門性への対応
選択できるクラブの幅が広がるとともに、安全で充実した活動ができます
▽少子化への対応
生徒数・教員配置の減少に対し、複数校で協力し活動を維持できます
▽教師の負担軽減
休日の部活動を含めた教員の長時間勤務への負担や、競技の指導経験がない教員の負担を軽減できます

■狭間・富士中学校3つのモデルケース
▽陸上競技部 三田市陸上競技協会 中尾弘二(なかおこうじ)さん
これまで三田市立中学校の教員として陸上競技部の顧問を務めてきました。退職後に依頼を受け、部活動指導員として学校を支援しています。私が勤務していた頃より、業務が多様化し大変忙しくなっています。教員は、部活動の意義を感じる一方、勤務時間外の活動であるため負担も感じています。生徒がより良い環境で安全・安心に活動できるよう、持続可能な制度構築が大切です。

▽剣道部 すずかけ剣友会(けんゆうかい) 井上保(いのうえたもつ)さん
実業団時代に競技者と会社員の両方で培った経験を生かし、指導しています。部活動では競技に初めて接する生徒が多く、基本を身に付ける丁寧な指導を心掛けています。子どもは目標に向け伸びる力が強く、仲間と支え合い、切磋琢磨しながら挑戦し続ける姿は素晴らしいと思います。教え子が引退や卒業後も剣道を続け、後輩の様子を見に来てくれた時は指導者冥利に尽きます。

▽野球部 兵庫ブレイバーズ山川和大(やまかわともひろ)さん
お世話になっている三田市に恩返しするため、自分が学んだことを地域の子どもたちに伝えています。中学生の指導では体調管理を特に注意し、野球を楽しみ好きになれるよう心掛けています。生徒は素直で、私がプロ野球選手時代に受けた指導をかみ砕いて説明するとぐんぐん吸収します。真面目できびきびと動く姿も気持ちが良く、楽しくやりがいを持って指導しています。

▽生徒たちの声
・自分では気付けない癖(くせ)などを的確に指摘してくれる
・いろんな練習メニューを教えてくれて記録が伸びた
・他校の生徒同士で教え合って伸ばし合える
・他校の人たちとの練習や試合は、いつもより集中できたり「負けたくない」と頑張れたりする
・部員が少なかったけど、大勢で練習できるようになってうれしい

▽先生たちの声
・未経験であったり専門性の高い部活動の顧問になったりした際には特に負担が大きいので、技術指導を専門家に任せられるのは助かる
・指導者が交替した場合の差は、地域クラブの方が小さく安定した指導が期待でき、生徒が安心できる
・別の業務との兼ね合いで、手厚くきめ細やかな指導ができないこともあるので、任せられるのは良い

問い合わせ:学校教育課
【電話】559-5138【FAX】559-6400
市HP(三田市新たな地域クラブ活動)(2次元コードは本紙7ページをご覧ください。)

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