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自治体の皆さまへ

SDGs それなら できるを ぐんぐん そだてよう 1人から2人、2人から3人へ (5)

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兵庫県多可町

09 モノづくり = 人づくり 不器用を武器に 足立織物株式会社
「私、不器用だから、その弱さを隠さず見せています。」
足立織物株式会社の代表取締役足立美由希さんは、創業73年目になる織物会社の女性社長として会社を支えています。
足立織物では、独自の技術で真空パックした防災用毛布を開発し、日本最小級のA4サイズの毛布として高く評価され、多可町とも、災害時の連携協定を締結しています。
「女性がとても多い職場で、10代から70代まで幅広く女性が活躍しています。一人一人が会社の顔になってもらう、みんなにスポットライトが当たる会社を目指して、さまざまな資格取得なども全面的にサポートしています。」
地元雇用も積極的に行い、地域に愛される身近な企業でありたい。創業100年を目指して、常に時代の動きを探りながら、新しい取り組みに挑戦しています。
「廃棄物を削減しようと、使用済・保管期限切れの毛布のリパックや、最近では固形燃料への転換にも取り組んでいます。職場への太陽光パネルの設置や電球をLEDへ変換するなど、50%以上の節約が実現しています。」
そんな足立織物では、SDGsの目標達成に向けて、独自のロードマップを作成し、2030年の目指す姿を具体化することで、社員が一丸となってゴールを目指しています。
「マップを作ることで、今までやってきたことが自然とSDGsに繋がっていることがわかりました。これからも、人とモノづくりの見本になれるように取り組みたい。時代に合わせたモノづくりをより一層強化していきたいです。」

10 自分が困っていることはみんなも困っている ハンキュウ
「なかなかお金には繋がらないけど、楽しいよ。」
後藤素弘さんは、自身の経験をもとに、ハンキュウを開業しました。ハンキュウの事業内容は、空き家や遺品整理、草刈りや庭の剪定、その他困り事のお手伝いと記してあります。
「実家の織物工場が廃業して、いわゆるのこぎり屋根の建物がどんどん腐敗が進んでぼろぼろになっていたんです。近所からもクレームがあって、意を決して自分で解体することにしたんです。会社を退職した後藤さんは、無我夢中で経験ゼロから解体を始めました。
「業者に頼む経費もなかったらね。大型1種、大型特殊、ユンボの免許と、退職してからたくさん資格をとって、大量のゴミや廃材を仕分けして、建物の大半を取り壊しました。」
片付ける中で、まだまだ使えるものがあると思い、捨てるくらいなら、とネットを通して掲載したところ、大きな反響がありました。
「お金なんかいらない。必要な人にまた使ってもらえたらうれしい。」
そんな自身の経験から、きっと困っている人はたくさんいる、と考え、人助け、モノ助けになればと会社を立ち上げました。
「ゴミ屋敷みたいなところを必死で片付けたりして。儲けはないし大変だけど、とにかく楽しい。会社勤めでは味わえなかった体験です。いろいろな人との出会いも財産。捨てられるものが、別の人のもとで生き返る。少しでもそんなお手伝いができたらと思います。」

11 強制であってはいけない、共生なんだ ちょいボラグループやちよお助け隊
「おはようございます!病院行きましょか!」
やちよお助け隊のベストを着たメンバーが玄関で声をかけます。
「今日は、伊藤医院まで送っていって、診察中も付き添って、終わったら家に送って終わり!」
元気な声でそう言って笑顔を見せ、手を添えて利用者を助手席へと介助します。
ちょいボラグループやちよお助け隊は、今から6・7年前に活動を開始しました。
「現在のメンバーは25人ですが、実際に動けるのは限られたメンバーです。メンバーの平均年齢も67歳と、決して若くはありません。みんな仕事をしながら、空いた時間でボランティアをしてくれています。」
事務を担当する秋山進さんは、グループの活動内容などを取りまとめています。
グループの活動内容のほとんどは、移送支援。要するに、病院や買い物などへの送迎です。その他に、庭の草刈りや片付けなど、高齢者の困りごとを支援する活動を行っています。
「基本は80歳以上の一人暮らし高齢者が対象ですが、最近は日中独居の高齢者が増えてきました。病院や買い物に行きたい時間帯に、家に若い世代がいないんですよね。」
令和3年の依頼件数は70件でしたが、令和4年は140件。今年は、3か月ですでに60件と、ニーズはどんどん右肩上がりです。
「地域はどんどん高齢化が進む。その中で、元気なお年寄りががんばるしかない、という状態です。私たちも、いつお世話になる立場になるかわからないからね。」
増えるニーズに対し、メンバーは当然不足。八千代区全体をカバーすることは不可能です。
「SDGsの意識がもっと町全体に広がって、私たちみたいなグループが、集落ごとに立ち上げればいいな、と願っています。」
メンバーの高齢化、利用数の増加、利用区域の広域化に加え、移送時の安全面でも不安が大きく、自車での送迎を引き受けるメンバーは限られています。「厳しい状況ですが、困っている人を助けてあげたい。その一心です。
最近は人と人とのつながりが希薄になってしまって、ご近所同士で助け合うことも少なくなりました。若い人にも参加してほしいけど、なかなか余裕がないからね。」
持続可能な活動を目指すには、あまりにも課題が多い。
そんな中でも、メンバーは笑顔を忘れません。
「活動を通して、喜んでもらう姿を見ると、私たちもうれしくなります。
この活動を通して、実は自分たちが元気をもらっているんだということに気がつきます。グループには限界があります。どうかこういったグループが町中に広がりますように。」

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