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自治体の皆さまへ

【特集】あなたが、あなたであるために(2)

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北海道上富良野町

〔Voice 親の声〕
●自分ひとりだけじゃないんだって、気付いて、つながれる。そんな居場所を作りたかった。
MIT代表 広瀬美奈(ひろせみな)さん
永真さんの母・美奈さんは、子育て支援に取り組むNPO法人「こどもサポートふらの」(通称ファミサポ)のアドバイザーです。子育てや発達に携わってきた美奈さんも、わが子が初めて不登校となったとき、紆余曲折があったと話します。
「子どもが学校へ行かなくなれば、ほとんどの親が状況を理解するまでに多くの時間が掛かるけれど、私は比較的すぐに『休みなよ』って言えたんです。これは仕事での経験があったからこそだと思います。自分ではすぐ状況をのみ込めていたと思っていましたが、不登校になった年の学校祭で、永真が行くことはない学祭のバザーの商品を注文して受け取りに行ったとき、胸が張り裂けそうになりました。心のどこかでまだ期待していたんでしょうね。やっぱり学校に行ってほしいと思っていたんだとか、なんでうちの子はここにいないんだろうって、いろいろな思いが巡り、涙が止まらなかったのを覚えています」
不登校が始まったころ、美奈さんは偶然に同じ不登校の子の母親と出会います。
「不登校について話していくうちに、そのお母さんが『不登校を誰かに話すことがなかった』と泣かれたんです。日常や育児の悩みって気軽に誰かに話せるのに、不登校のことは一人で抱え込むしかなかったんだ!って気付かされました。私だけじゃなく皆誰かと話したいんだってことが分かり、当事者同士で話しができる関係を作りたいと学校や教育委員会に相談して、何ができるか動き始めました」
当初は、不登校の子を持つ親同士の懇談会から始まり、その後学校に行っていない子どもや保護者の会として「МIT」が誕生。幅広く活動ができるよう、子育てサークル化し、現在は9世帯で活動。美奈さんは、発足当初から代表を務めます。
「会で当事者同士つながれるようになったことは、本当に大きいことでした。情報交換だけでなく、子ども同士も仲良くなったりなど、予想外の良いこともたくさんありました。以前、夜に西児童館を借りて、皆で遊んだことがありました。外に出ない子たちが、元気に体を使って楽しそうに遊んだり、親同士はおしゃべりしたりと、とても楽しい時間を過ごしました」
紆余曲折を経て、現在も二男の不登校に奮闘する美奈さん。今不登校に悩む親や子どもには「自分ひとりで抱えこまないで」と優しく語りかけます。
「不登校について打ち明けられないと思っている当事者の方は、本当に多くいらっしゃる。私が親御さんの話を聞いて思うのは、皆子どものことをすごく想っているんです。大切だからこそ一生懸命に考えて、苦しくなってしまう。そんな気持ちを外に出してほしいな、って思います。МITは学校に行っていない子と親が安心してつながれる場。こういった場などを活用して、いろんな人とつながって、ひとりじゃない、自分だけじゃないというところを知ってほしいです。МITや教育支援センターなど、つながり作りができる糸口が、あちらこちらにあればいいなと思います」

●不登校の保護者や子どもを支援する会
○MIT(まあ・いっか・とりあえず)
活動日時:第4金曜日 19~21時
活動場所:かみん
保護者同士のお話会のほか、月1回でオンラインでのお話会も開催しています。子どもが遊べるイベントも開催します。
活動日程などの詳細は、MITのFacebookページをご覧ください。

○いかすい
MITの広瀬さんと「みんなの居場所SORAの家」の福永将平代表が、不登校をサポートする活動を行っています。昨年から活動をスタートし、不登校を知ってもらうための講演会や映画会などを開催しています。活動の詳細は、いかすいのFacebookをご覧になるか、メールでお問合せください。

問合せ:【メール】ikasui2022@gmail.com

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