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言葉を通して知るアイヌ文化3

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北海道幕別町

チピヤㇰ(オオジシギ)

春から初夏にかけて、ジッジッジと鳴きながら旋回し、ズビャークズビャークと鳴いて、尾羽を広げてゴゴゴゴゴーとすさまじい羽音を立てながら急降下する鳥がいます。この鳥はオオジシギといい、はるばるオーストラリアなどから繁殖のために渡ってきます。オオジシギはアイヌ語でチピヤㇰと呼ばれ、その鳴き声に由来します。
新ひだか町では、春先にオオジシギの急降下をよく目にすればその年は豊作になるといったほか、和人が舟に交易品を積んでアイヌのところへやってくることを知らせた鳥だとも言われています。北海道東部の白糠では、次のような物語が伝わっています。
私(=オオジシギ)は天の神様から使命を受けて、人間の世界へ降りますと、そこはあまりに美しく、長居をしてしまいました。しばらくして言いつけを思い出し、天に帰ると、神々から帰りが遅いことをひどく叱られ、「そんなに気に入ったのなら人間の世界にいるがよい」と言われてしまいました。私は泣きながら人間の世界に降りましたが、天に戻りたくてたまりません。私は天に向かって飛び上がるのですが、神々に叱られたことを思い出し、途中まで行っては泣きながら降りてくるのです。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課 学芸員
【電話】(幕) 54-2006

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