外務省が、世界三都市に設置している施設に「ジャパンハウス」というものがあります。公式のサイトによると「これまで日本に興味のなかった人々も含め、幅広い層に向けて日本の多様な魅力、政策や取り組みを伝え、親日派・知日派の裾野を拡大していくことを目的としている。」とあります。世界三都市のうちの一つがイギリス・ロンドンにあります。
令和元年に、ジャパンハウスロンドンから、アイヌ文化を紹介・発信する展覧会の実施のため、連携協力の打診がありました。平取とイギリスは歴史的にも深い関係があります。イギリスにおいてアイヌ文化を発信することは、アイヌ施策推進法に基づく国のアイヌ施策の基本方針に合致し、また、平取町にとっても文化振興に寄与するとの考えから、アイヌ政策推進交付金を利用し、ジャパンハウス派遣事業として、展覧会の関連イベントに地域住民を派遣することとしました。
令和5年11月16日に展覧会が一般公開され、オープニングにあわせ、平取町長をはじめ関係職員と平取アイヌ文化保存会のメンバーが渡英しました。
イギリスへ到着した翌日には、在英国日本大使館へ表敬訪問し、林大使と懇談の場を持ちました。平取町からは記念品として、二風谷イタ、二風谷アットゥシレリーフが贈られました。この表敬訪問の様子は、在英国日本大使館のウェブサイトに掲載されていますので、ぜひご覧ください。
ロンドン滞在中は、平取アイヌ文化保存会の方々の舞踊の披露や参加者が一緒に体験するワークショップなどのイベントが開催されました。どのイベントでも、用意された席は、ほぼ満席となり、大盛況となりました。イベント終了後には、参加者から保存会のメンバーへの質問や、一緒に写真を撮るなど、アイヌ文化への関心の高さがうかがえました。
展覧会の会期は、令和6年4月21日まで続き、今後も1月、2月、3月と交付金を使った地域住民の派遣が続きます。舞踊だけでなく、食文化や言語、工芸などについて各種イベントが実施される予定です。
※「アットゥシ」の正式表記は本紙をご覧ください
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