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姉妹都市盟約締結40周年 鹿児島県日置市との交流40年(1)

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北海道弟子屈町

本町の姉妹都市・鹿児島県日置市は、1983(昭和58)年に旧東市来町との姉妹都市盟約を締結し、今年で40周年を迎えました。
新型コロナウイルスの影響で令和元年を最後に止まっていた人の交流が40周年を迎えた今年から再開することができました
これまでの40年の歩みをご紹介します。

■恵まれた自然資源の中で歴史を刻んできた日置市
日置市は鹿児島県の薩摩半島中央部に位置する市です。2005(平成17)年5月1日に、日置郡の4町、伊集院町、東市来町、日吉町、吹上町が合併して誕生しました。
人口およそ4・7万人。県庁所在地の鹿児島市と隣接し、同市のベッドタウンとしても発展しています。平均気温約17℃という温暖な気候で、特産品はお茶や和牛、焼酎など。また東シナ海に面しており、天然塩やちりめんじゃこの生産も盛んです。
薩摩焼の歴史とも深い関わりがある地域で、現在でも旧東市来町美山地区などに窯元が開かれ、陶器のまちとしても知られています。

※地図など詳細は、本紙またはPDF版12ページをご覧ください。

■永山氏の功績がきっかけ1千800キロを超えた絆
弟子屈町と日置市の距離は直線で1千800キロ。北海道と九州、遠く離れたこの2つの町と市が姉妹都市となるきっかけは、同市(旧東市来町)出身の故永山在兼(ながやまありかね)氏(写真)の存在でした。
永山氏は1889(明治22)年、鹿児島県東市来町(現日置市)出身。東京帝国大学(現東京大学)土木工学科を卒業し、1915(大正4)年に北海道庁に入庁します。遠く北海道を目指したのは、同郷の先輩・吉利智宏氏が北海道開拓に尽くしたことを知って感銘を受け、自分も北海道開拓に尽くすことを決意したからといいます。
永山氏は1918(大正7)年、釧路土木出張所長になり、以後12年間にわたり、道東地区の開発のため数多くの道路新設・改良に尽力します。中でも国道241号、本町と阿寒湖畔を結ぶ約40キロの阿寒横断道路開削工事は大変な難工事でしたが、1930(昭和5)年、見事に完成させました。
横断道路の完成を受け、1934(昭和9)年には阿寒国立公園に指定されるなど、道東観光発展の基礎を築く上で、永山氏が果たした功績はとても大きなものでした。地域の人々は後に、この道路を「永山道路」、永山氏を「阿寒国立公園の父」と呼ぶようになったといいます。
この縁で1983(昭和58)年、本町と東市来町(当時)との姉妹町盟約が結ばれ、4町合併により同町が日置市となった2005年以降も、姉妹都市盟約として継承されています。

■両町の交流に大きく貢献観光の第一人者・種市氏
姉妹都市盟約のきっかけとなったのは永山在兼氏ですが、その経緯を語る上で欠かせない方が本町にいました。初代弟子屈図書館長であった、故種市佐改(たねいちさかい)氏(写真)です。
種市氏は1923(大正12)年、釧路市出身。14歳で国鉄(現JR)に入庁し、旅客・観光を担当してきました。1960(昭和35)年、東北海道観光連絡協議会に参画、「タンチョウ」「流氷」「白鳥」の「三白観光」を提唱するなど、後に観光の第一人者として知られていきます。1974(昭和49)年から釧路観光連盟事務局長、1985(昭和60)年から釧路圏摩周観光文化センター資料室長、1989(平成元)年からは弟子屈図書館長を務め、1991(平成3)年に67歳で亡くなっています。
種市氏は、釧路観光連盟事務局長就任時に「阿寒国立公園40周年記念誌」の編集に携わり、阿寒国立公園指定に大きく貢献した阿寒横断道路と永山氏について調べ始めます。調査を進める中で、永山氏の故郷・東市来町と連絡を取るようになり、それがきっかけとなって1979(昭和54)年、鹿児島県の地元紙・南日本新聞で永山氏の道東道路開発の業績が紹介されました。
これらを経て、本町が東市来町との交流を正式に希望し、本格的な両町のやり取りが始まります。翌1980(昭和55)年、阿寒国立公園広域観光協議会が、鐺別地区に「永山在兼顕彰の碑」を建立。永山氏のご家族や東市来町長、同町議会議長出席のもと、除幕式が行われました。また、2003(平成15)年には、20周年記念に合わせて鹿児島県日置郡東市来町長里にも「永山在兼顕彰の碑」を建立し、德永町長や下茂東市来町長、永山氏のご家族などが出席、除幕式が行われました。

■さまざまな交流を重ねて理解と友好を深めた日々
こうして、本町が東市来町と姉妹町盟約を結んだのが1983(昭和58)年。10月には本町で、11月には東市来町でそれぞれ調印式が行われました。以来、さまざまな交流事業を行っています。代表的なものでは、1990(平成2)年から始まった中学生交流事業は2年おきに行われており、本町の中学生が日置市(旧東市来町)を、日置市の中学生が本町を訪れ、文化や風土の違いを感じながら、相互理解を深めています。現在の鹿児島県日置市
永山由高市長も25年前に中学生交流事業により来町されていました。
また近年は、互いのまちを行き来しての物産交流も実施。さらに平成25年5月には、鹿児島県畜産共進会でグランドチャンピオンに輝いた繁殖用肉牛「かねはる」をはじめ、現在までに3頭の和牛が日置市から本町に贈られるなど、畜産業での交流も行われています。
姉妹町盟約締結10周年を迎えた1993(平成5)年には東市来町で、20周年を迎えた2003(平成15)年には本町で、それぞれ記念式典が行われ、友好を確かめ合いながら、相互の発展を誓いました。2005(平成17)年には、東市来町が周辺3町との合併により日置市となり、姉妹都市盟約継承締結式が日置市で行われ、これまでと変わらぬ交流を確認。30周年を迎えた2013(平成25)年には、本町で記念式典が行われ、そして今年、姉妹都市盟約締結40周年を迎えました。

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