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自治体の皆さまへ

〔特集〕自分らしく生きる~性の多様性を認め合おう~(2)

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北海道江別市

◆江別SOGI(ソジ)の会 当事者・Ally(アライ)の方へのインタビュー
江別SOGIの会は、令和元年に設立された、SOGI(性的志向・性自認)に関する啓発や支援をしている団体です。生きづらさを解消し、人権を尊重し合える、誰もが安心して暮らすことの出来る社会の形成を目指しています。
江別SOGIの会 会長 舘内 孝夫(たてうち たかお)さん

◇「江別SOGIの会」の会長で、LGBTQ+の当事者でもある舘内孝夫さんに話を伺いました。
・自分の性について、意識し始めたのはいつですか
物心ついたときからなんとなく分かっていました。小学生の時は、言動が女っぽいとか言われていたみたいで、いじめられていました。周りの男性は女性に関心を抱いていたけど、私は男性の方に気持ちが向いてたので、周りと自分は違うんだと思いました。
私が学生だった時は、LGBTQ+などに関する本も少なく、恋愛も片思いで終わってしまうことが多かったです。
社会人になると、同性愛者向けのコミュニティに参加するようになりました。同じような悩みをかかえている人たちと話をすることができて、自分だけじゃなかったんだと思えました。

・家族にカミングアウトしたきっかけは何ですか
6年前、滝川市で市議会議員をしていた時、パートナーシップ宣誓制度を滝川市でも導入したくて、周りを説得するには、自分がカミングアウトすることが必要だと思いました。レインボープライド(LGBTQ+について知ってもらうためのパレードイベント)の写真撮影でカミングアウトし、家族が知るところになりました。両親は、薄々わかっていたと理解し、応援してくれました。

・生活するうえで困っていることは何ですか
困っているわけではないけれど、会社で「奥さんってどんな人?」と聞かれることがあります。そこであえて自分がゲイで、パートナーが男性であることは説明せず、奥さんと称して話しています。パートナーは女性であるという世間の認識があるので、いちいち気にしませんし、周りに知られてもいいと思っています。周りの人が知ってどう思うかはその人の問題なので、受け取った人がどう思うかを気にしたりしません。
ただ、誰もが私のように気にしないわけではなく、嫌な思いをする人はもちろんいると思います。それも、感じ方は人それぞれなので、マイノリティ?少数者?だからこう思う、マジョリティ?多数者?だからこう思うということはありません。その人それぞれであって、その人を一人の人として接してあげることが、大切なのだと思います。

・性について悩んでいる方に伝えたいことはありますか
「あなたは決してひとりじゃない」と伝えたいです。同じような悩みを抱えている人はたくさんいます。私も社会に出て、当事者のコミュニティがたくさんあり、同じ思いを持った人がたくさんいるんだと驚きました。ひとりで悩まないでください。

・皆さんに伝えたいことはありますか
一つのニュースを聞いても、みんなそれぞれ違う意見をもったり、違う感じ方をします。人それぞれ違うのは、性についても同じです。
LGBTQ+だとか、多様性だとか言われても、すぐには理解できない方も多いと思います。まずは、一人の人間として、その人の生きざまを受け入れてみてください。急がずゆっくり、自然にみんなに知ってもらえたら嬉しいです。

◇「江別SOGIの会」幹事で、Ally(アライ)として活動し、市内で行政書士として働く、五十嵐拓也さんと五十嵐友紀子さんに話を伺いました。
・江別SOGIの会を設立したきっかけは何ですか
私たちは、一般社団法人ENISHI(エニシ)という性的マイノリティの方に対する法的な支援や社会に対する啓発活動を行う団体で活動をしていました。活動をしている中で、舘内さんと出会い、舘内さんと一緒に「江別SOGIの会」を設立しました。
江別にはLGBTQ+を支援する団体がなかったので、身近な地域に相談できる場所があるといいなと思いました。気軽に相談できる窓口になる団体を目指しています。

・どんな活動をしていますか
主な活動は、2か月に1度開催している「情報交換会」です。簡単に言うと、おしゃべり会です。
当事者の方が悩みを吐き出せる場所であるだけでなく、世代や性別、職業なども問わず、集まってお話をしています。話す内容は、みんなで出し合い、江別のいいところを話してみたり、たわいない話をしています。
ほかの市町村では、LGBTQ+に該当する方のみが参加できる集まりもありますが、江別SOGIの会の情報交換会は、SOGIを考える場所なので、当事者も当事者でない方も参加できます。LGBTQ+について詳しく知りたい、勉強したいと言って参加してくれる方もいました。
参加した人が何か相談しなければいけないわけではないので、気軽に足を運んでほしいです。
情報交換会のほかにも、市からの依頼を受け、啓発ポスターの制作なども行いました。

・どんな支援をしていますか
相談窓口として、話を聞くこともできますし、専門的なところにつなぐこともできます。例えば、当事者の家族の悩みであれば、当事者の家族を支援する団体(SOGI-Mamii’s(ソジマミーズ))につないでいます。
また、私たちは行政書士なので、法的な支援も可能です。

・性について悩んでいる方に伝えたいことはありますか
相談する場所や人がいないのはつらいことです。住んでいる地域に相談できる場所があると安心できると思います。私たち江別SOGIの会でなくても、当事者同士の集まりに行ってもいいと思います。思いつめないで、声をかけてくれたらうれしいです。

・皆さんに伝えたいことはありますか
みんなそれぞれ違い、同じではありません。「男性だからこうあるべき」「男女カップルが普通である」などと決めつけることなく、その人の個性として、受け入れてほしいです。

◇江別SOGIの会 情報交換会
次回は11/26(日)
開催日:5月・7月・9月・11月・1月・3月の第4日曜日
時間:14時~16時
会場:市民交流施設「ぷらっと」
※参加無料
※申し込み不要
※途中入退出可

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