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知っておこうアイヌ文化 カリンパニ

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北海道白老町

イランカラプテ。サクラの花が満開になる時期を迎えました。町内の至る所で咲き誇るサクラに、心が和むものです。ところで、美しいサクラをアイヌ民族は何と呼んでいたのだろう?と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。知里真志保の『分類アイヌ語辞典 植物編』で、北海道の一般的なサクラであるエゾヤマザクラを調べてみると、カリンパニやカルンパニなどと記載されています。カリンパニは、カリンパ=サクラの樹皮、ニ=木という語源が由来であり、サクラといえば花を思い浮かべる一方で、樹皮が語源というのは不思議に思われるかもしれません。実は、アイヌ語の植物名の多くは、人間の暮らしに欠かせない部位の名称が由来になっているといいます。では、アイヌ民族はカリンパをどのように利用するのかというと、小刀や山刀の鞘、矢筒といった2枚に割った木を貼り合わせて作られる道具に巻き付けることで、剥がれないようにするため、また、カリンパウンクと呼ばれる弓に巻きつけることで、折れることのない強度を保つ、補強としての役割に用います。こうした生活を支える重要な道具に使用されるカリンパは、アイヌ民族にとって、サクラの花より大切であることがわかります。
政策推進課 アイヌ政策推進室 学芸員 森洋輔

問合せ:イオル事務所 チキサニ
【電話】82-6301

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