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市民のひろば「香取遺産」

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千葉県香取市

■vol.205 一之分目遺跡と一之分目古墳
一之分目遺跡は、JR成田線水郷駅付近から国道356号線に沿って細長く伸びる標高約3~5mの微高地(びこうち)にあります。ここには、利根川下流域で最大の前方後円墳である三之分目大塚山古墳を主盟とする豊浦古墳群なども所在しています。
一之分目遺跡には、豊浦古墳群に含まれる一之分目古墳がありました。一之分目古墳は径約10mの円墳で、大正7年の開墾の時に木棺直葬(もっかんじきそう)と思われる主体部(しゅたいぶ)と副葬品が出土しました。副葬品は刀子(とうす)と斧を模(かたど)った石製模造品で、東京帝室博物館(現東京国立博物館)に寄贈されています。出土した石製模造品(せきせいもぞうひん)から5世紀前半の築造年代が考えられます。昭和27年ごろには完全に消滅したと伝わっています。
一之分目遺跡は、一之分目古墳以外に具体的な遺跡の様相は不明でした。しかし、令和3年と4年に行った遺構や遺物の有無を調べる確認調査で、住居跡などが見つかりました。
令和3年は、約20m四方の狭い範囲に竪穴住居跡が密集している状況を確認しました。住居跡の時期は平安時代と思われます。何らかの事情で限られた狭い範囲に、建て替えを繰り返してきたのでしょうか。
令和4年は、古墳の堀と思われる溝跡を確認しました。溝跡が巡る形から前方後円墳の可能性があります。
豊浦古墳群は円墳6基、前方後円墳5基が知られていますが、今回の調査は新たな古墳の発見となり、一連の確認調査から、貴重な情報を得ることができました。
確認した遺構は埋め戻しをして保存することになりました。このような確認調査の積み重ねが、香取市の歴史を少しずつ明らかにしてくれます。

問合せ:生涯学習課
【電話】50-1224

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