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特集 ありがとう、鞆渕中学校(2)

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和歌山県紀の川市

■卒業生・在校生・保護者それぞれの思い
●年代を超えた交流ができる楽しい学びの場所。
鞆渕中学校3年生 東凛(ひがしりん)さん
これまで、鞆渕小学校・中学校で9年間を過ごしました。少人数なので、授業では先生が一人ひとりをしっかり見て指導してくれて、とても分かりやすかったです。また、他学年の生徒とも学年を超えた交流ができて楽しかったです。
一番印象に残っているのは運動会。生徒・先生・保護者に分かれて、対抗レースをしました。保護者チームが、おとなげなく本気で勝ちを奪っていきました。みんなでできて、本当に楽しかったです。
4月からは粉河高校に進学予定。今まで少人数の学校だったので、友達ができるか、なじめるか少し不安ですが、軽音楽部に入って、みんなで演奏をしてみたいです。
卒業制作で、先生や地域の人たちにも協力いただき、モザイクアートを制作しました。A4サイズの用紙に1cm角の色紙を張り付け、それを約70枚組み合わせて1枚の絵を作りました。最終的にどんな絵になるのか知らずに作っていたので、校舎の絵が浮かび上がったときはびっくりしました。中学校が休校になるのは寂しいですが、一緒に過ごした仲間たちとは、これからも交流を続けていきたいです。

●無条件で愛し、成長させてくれた大切な場所。
鞆渕中学校3年生 兼城凜々秋(かねしろりりあ)さん
私は大阪の中学校に通っていましたが、入学後しばらくして人間関係に悩み、学校に通えなくなりました。「少しでも早く学校に行きたい」という思いがあり、自分で色々調べる中で山村留学の制度を知り、自宅の大阪から近い鞆渕への留学を決意。令和2年8月から鞆渕中学校に通い始めました。
しんどいこともあったけど、校内を流れる小川で自作の釣り竿にうどんや魚肉ソーセージなどをつけて、昼休みにみんなで魚釣りをしたことや、1学年下の前中さんと一緒に楽しく学校まで自転車で通っていたことが思い出としてよみがえってきます。
もともとK-POPが好きで、韓国語の勉強に興味があったので、4月からは大阪の高校で韓国語や中国語を学ぶ予定です。好きな語学を学ぶことができるので、楽しみにしています。
鞆渕中学校や山村留学センターが閉まることは、帰ってきたいと思っても帰る場所がなくなるようで、とても寂しいです。鞆渕は、私を成長させてくれた場所。無条件で愛してくれた場所。これからも、夏祭りやホタルのシーズンなどは、ぜひ遊びに来たいと思っています。

●先輩たちとのたくさんの思い出がある場所。
鞆渕中学校2年生 前中孝予(まえなかたかよ)さん
鞆渕小学校で6年間、中学校で2年間を過ごしました。同級生はいませんでしたが、凛くんや凜々秋ちゃんたちと一緒に文化祭でダンスを踊ったり、修学旅行に行ったりと、学年を超えて交流ができ、絆を深めることができました。
一番思い出に残っているできごとは、小学校のときの山村留学体験キャンプ。7月に運動場に自分たちでテントを張って、寝泊りをしました。先輩たちと4人で夜中までおしゃべりしていて寝れなかったことや飯盒炊飯(はんごうすいはん)でごはんを炊いて食べたことなど、とても楽しい思い出です。
4月からは、校内で学生が自分1人になるため、両親と話し合いをし、スクールバスで荒川中学校に区域外通学することを決めました。体調を崩すことなく通学できるか、友だちができるか、学校になじめるかなど、不安もありますが、今までいなかった同級生の友だちができることがとても楽しみです。荒川中学校では、1クラスに約20人の同級生がいるので、グループで話し合いをする授業をしたり、休み時間に友だちとおしゃべりして過ごせる日々を楽しみにしています。

▽卒業制作
卒業制作として、鞆渕小中学校の校舎の写真を形どったモザイクアートと、美術で習うレタリングの技法を使って巨大な地上文字を描く「校庭文字」を制作しました。

●保護者からのメッセージ
鞆渕中学校は山あいの小さな中学校で、生徒・保護者・教職員の距離が近く、非常に楽しかったです。私もコロナ前は部活動に参加させてもらっていました。PTA会長と生徒が一緒に部活動を楽しんでいる学校は、他にないのではないでしょうか。みんながまるで家族のような学校でした。
私と子ども3人もこの小中学校で過ごしました。春と秋は陸上大会、冬は駅伝、英語の学習のための京都への旅、合唱コンクール、文化祭での発表、生徒会活動など、一人の生徒がこのように多岐にわたって貴重な経験をすることは、ここでしかできなかったことだと、自身の子どもが小中学校に通うようになってから気付きました。
ちぢみほうれん草や黒豆の栽培、敬老会、秋祭りなど、地域に根差した活動も学校・地域・保護者が三位一体となったチームともぶちの力があってこそのものでした。鞆渕中学校が休校となることで、地域にとっての大きな柱が失われてしまいますが、それによって地域がバラバラになってしまうのではなく、鞆渕地区の人々とこの地区を好きでいてくれている人たちが一緒に集まり、楽しむことができる鞆渕であり続けて欲しいです。ここで過ごした思い出はそれぞれの心の中で生き続けます。いつまでも鞆渕小中学校を忘れず、思い出して笑顔になってくれたらと思います。
PTA会長 東豊(ひがしゆたか)さん

保護者として、教職員のみなさんだけでなく、鞆渕地域のみなさんも一緒になって、これまで学校を支えて守ってきてくれたことに感謝しています。娘が3年生から荒川中学校へ通学するかどうか迷っていたとき、地域の人たちが声をかけてくれたり、先生が鞆渕中学校と荒川中学校の交流授業の機会を設けてくれたりと、みなさんが気にかけてくれて、私も娘もとても心強かったです。私自身も鞆渕中学校の卒業生。通っていた学校が休校になるのは本当に寂しいですが、今後もこのあたたかな地域のつながりが続いていくことを願っています。
PTA副会長 前中(まえなか)のりこさん

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