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自治体の皆さまへ

360年の生命(いのち)を紡いで(4)

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埼玉県三芳町

■武蔵野の落ち葉堆肥農法を
「みんなで世界へ。未来へ。」
持続可能で世界に唯一無二の重要性を世界から認められた「武蔵野の落ち葉堆肥農法」。今後期待されるのは「農産物のブランド化」や「地域の活性化」など、地域に還元される効果です。
「農産物のブランド化」は手間がかかる伝統農法を守る農家への還元になり、「地域の活性化」は、国内外からの観光客や農法への参画者が見込め、農法継続に追い風になり得ることが期待されています。

◆農業遺産の魅力発信
町では、これらの効果を最大限に活用するため、農業遺産の魅力発信を行っています。3月に国土交通省に認定された「みよし野ガーデン里山探訪」では春夏2回のバスツアーが満員御礼。秋のバスツアーでは季節に合わせ一味違った魅力発信を行います。
また、地元の誇りである当農法の魅力発信を行うために、農業遺産コンシェルジュを創設。30人の住民が三芳の魅力を学び、今後、観光客や視察団に向けてPRを行うなど、取り組みが進んでいます。

◆三芳の宝をみんなで
「GIAHSなんて、関係するのは農家だけ」。そんな風に思っている人もいるのではないでしょうか。
武蔵野の落ち葉堆肥農法は、自然の力を借りて美味しい野菜を生産するだけではありません。ヤマが地域の緑・生物多様性を、落ち葉掃きが先人への学び・人とのつながりを作ってくれる、私たちの生活にも関わる貴重な農法です。
だからこそ、町内には当農法が持つ魅力を様々な角度から支えている住民がいます。落ち葉掃きを応援する「落ち葉サポーター」、ヤマを愛し緑を守る「グリーンサポート隊」、農業遺産の魅力を伝える「農業遺産コンシェルジュ」など…。
当農法がGIAHSに認定された今、武蔵野地域で暮らす私たちは、この農法をこの先も守り伝えていくことが求められています。
世界が認めた三芳の宝を世界に発信し、未来に引き継ぐために。あなたも落ち葉掃きなどのイベントに参加して、農法の魅力を体験するところから始めてみませんか。
―特集・終―

・三芳の魅力を再発見し、発信する。
農業遺産コンシェルジュ

・ヤマを知り、ヤマを守る.
みよしグリーンサポート隊

・落ち葉掃き
自然を五感で感じて、楽しんで。

落ち葉掃きは三芳町の魅力である自然を最大限に感じられるイベント。楽しいのはもちろん、掃き終わって、きれいになったヤマの清々しさは体験しないとわかりません。たくさんの人に参加して、この魅力を知って欲しいですね。
落ち葉サポーター 横山八重子さん

■人類の叡智を未来へ
江戸の人口が急増する中、江戸市民への食糧供給地として当地域は開拓されました。
GIAHSの目的は、世界各地に継承されてきた伝統的農法を保全継承し、人類を飢餓や貧困から守ることにあります。平成29年、日本農業遺産に認定されましたが、世界への道のりは遠く時間を要しました。理由として、大都市近郊に位置し開発が進む中での保全継承の可否と都市農業としての評価が定まっていなかったことがあると思います。
しかし、世界はSDGsの時代となり新たな光が当たりました。当地域の農法には、低炭素、環境循環型、自然共生という社会の実現を目指す知恵が集約されており、SDGsの理念を体現しています。そのような農法が大都市近郊にもかかわらず農業者や多くの関係者によって継承されている。360年間SDGsの先頭に立って走り続けてきたとも言えます。こうした光を受けて当農法の意義と価値は評価されました。
人類の最前線で地球を守り、生命を未来へ継承してく、これが私達の使命です。それは、美しいキンランの花に象徴される、麗しき故郷みよしを未来の子ども達に継承していくことにもなります。

武蔵野の落ち葉堆肥農法 世界農業遺産推進協議会会長
三芳町長 林伊佐雄

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