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自治体の皆さまへ

新 地域おこし協力隊通信 第4回

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埼玉県小鹿野町

◆御田

各隊員の活動を詳しくお伝えする地域おこし協力隊通信。第4回は御田正弘さんの活動を紹介します。

森林サービス産業事業化担当の御田です。これまで、間伐支援、木育おもちゃ製作、デジタル加工による木育キッズスペース製作など、様々な経験を積ませていただきました。活動にあたり、助言や支援をいただき、ありがとうございました。昨年、3年目の活動に入る前に立ち止まり、初心に戻るために、かつて都市部で仕事に追われる生活の中で自分が挑戦したかったけれども諦めていたことや、まだ試していないことは何だったのかを考えました。また、同じような状況で都市部の同世代の人々が諦めていることや、都市部に戻った場合にできないことも考えました。これが移住・定住へのヒントになるのではないかと思い、本能的にやりたいことに集中することにしました。
本当に必要なのは、前職で取り組んでいた先進的な働き方改革ではなく、価値観の改革ではないかとも思います。今はChatGPTや生成AIなどに面倒な作業を任せて、人間は自分が本来やりたいことに集中するという生き方も一つの選択肢だと思うようになりました。以下に挙げる2つのことは、どちらも自分の体や感覚を使わなければできないことの代表です。
やりたかったことの1つ目は、以前注力していた木工の完全デジタル化ではなく、設計のみデジタル化した加工作業のアナログ回帰です。地域で伐採した木を活用し、金物を極力使わない伝統的な構法で3m四方の小屋を作りたかったのです。製作期間の関係もあり、伐採から製材までの工程は支援を受け、設計から墨付け、刻み、建て方までは自分一人で行うことに決めました。構想・設計に2カ月、墨付け・刻みに3カ月、建て方に1カ月かけ、その後は屋根材や床板の張り、窓取り付け、外壁の取り付けを経て、現在は引戸も伝統的な技術を使って製作しています。伝統的な製作方法は効率的ではないとも言えますが、コロナ禍を経て、意図的に経験してみたいと思う人が増えているようです。
この経験から、得意ではないけれども、強い憧れがあって挑戦してみたいということにためらいがなくなりました。成果物の完成度が高くなくても、試行錯誤すること自体に生きがいを感じ、幸福度も上がっています。現在は地域の通勤車である軽トラのDIYにも取り組んでおり、自分で塗装や荷台のカスタムに挑戦しています。
やりたいことの2つ目は、森林の中で大人も楽しめるアクティビティを作ることです。登山やトレイルランニング、クライミングとは異なる種類のスポーツを探していた中で、2つ見つけました。
1つは自然の山や森の地形を使ったマウンテンバイクの遊びです。整備されたサイクルパークではなく、自然の地形に近い環境での走行を楽しむものです。現在は周囲の方々に迷惑をかけない程度に調査走行を行っています。
もう1つは、SUP(スタンドアップパドルボード)という、サーフボードに似た形状のボードに立ち、パドルで漕ぎながら水上で遊ぶものです。山林地帯でも、主にダム湖などで楽しむ人が増えています。水上散策や釣り、ヨガを楽しんだり、スノーボードのようなアクロバティックな技を競う人々もいます。
軽トラの活用方法として、仕事だけでなく、マウンテンバイクやSUPなどの遊び道具を積んで自由に行動することも、都市部ではできないことの一つだと思います。
このような小鹿野町だからこそできる魅力を発信するとともに都市部の人が楽しめるフィールドづくりを今後の事業展開に結びつけられればと思います。

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