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Interview

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大阪府寝屋川市

2階級制覇と教師の夢を追う
プロボクシング元世界王者

高山 勝成(たかやま かつなり)さん(40歳)

■Profile
17歳のデビュー戦に勝利。平成17年にミニマム級でWBC世界王者となり、その後、WBA、IBF、WBOの王座について26年に世界の主要4団体を制しました。名古屋産業大学に在学中に挑戦した東京五輪出場の夢はかなわず、令和2年から寝屋川市の石田ボクシングジムに所属。翌年にライトフライ級のWBO世界タイトル戦に挑み、TKO負けで2階級制覇はなりませんでした。通算42戦32勝9敗1無効試合。

ボクシング最軽量のミニマム級(体重47.62kg以下)で、世界の主要4団体を制した高山勝成さん。この春、教員免許を取得する一方、市内のジムに所属するプロボクサーとして6月に復帰戦のリングに立ちます。23年間のボクシング人生を振り返りながら2つの夢を語ってもらいました。

◇中学校2年生のときにボクシングと出会い、卒業後は高校に進学せずにプロの道を選びました
同級生からボクシングジムに誘われ、「格好いい」と思いました。空手をしていた〝ブルース・リー世代〟の父親に聞くと「いいよ」との返事。鼻血を出したり、目の上が腫れたりしましたが、17歳でプロになれると知り、高校には行かずボクシングを選びました。私にとって最初のターニングポイントでした。

◇現役の世界王者のまま30歳で名古屋市の高校に入学しました
21歳のときにWBCミニマム級の世界王者になりました。取材を受ける機会も増えたのですが、自分の思いをうまく話すことができず、表現力のなさを痛感。いつか高校で勉強をしたいと思うようになり、IBF世界チャンピオンだった30歳のときに高校に入学しました。

◇入学した年に世界の主要4団体を制覇。3年生のときには東京五輪の挑戦を決めました
高校では学校の配慮で試合の前に1か月半ほど休みをもらいました。試合が終わると、遅れを取り戻すためにたまった宿題に集中しました。3年生の夏には一度手放した世界王座に返り咲き、世界チャンピオンのまま卒業するという目標を達成。次は東京五輪で金メダルを取り、プロの頂点とは違う景色を見たいと思いました。
チャンピオンベルトを返上し、進学した名古屋産業大学の入学式の日に五輪挑戦を宣言。アマチュア選手として出場した予選で敗れましたが、悔いはありませんでした。

◇大学では社会科の教員を目指しました
高校は寮生活で、教室では15歳も離れた同級生と机を並べましたが、「しんどい」など弱気で淡泊な言葉を度々聞き、やり抜くことの大切さを伝えたいと思ったのが教師を目指すきっかけでした。大学は2年前に卒業しましたが、試合日程の都合で取れなかった教育実習を昨年に終えて教職課程を修了。この春、高校の教員免許を取得しました。

◇6月11日の復帰戦は2年ぶりの試合。再び2階級制覇を目指します
1階級上げた2年前のWBO世界ライトフライ級(48.97kg以下)タイトルマッチは、急きょオファーがありました。レフリーに止められて負けた不本意な試合に落ち込みましたが、このままでは終われないと思い、昨年12月からトレーニングを始めました。
5年前に元世界ヘビー級王者マイク・タイソンさんから「何があっても自分を信じろ」という言葉をもらいました。再起をかける6月のライトフライ級8回戦は、自身の今後を占う戦いです。公民の教師として教壇に立つのは来年4月以降ですが、最後まで諦めない姿を子どもたちに身を持って伝えるためにも、今回のラストチャンスを生かして2階級制覇を成し遂げたいですね。

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