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【特集】認知症になっても笑顔で暮らし続ける(2)

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■今、なぜ認知症か
星ヶ丘医療センター
もの忘れ外来
森敏先生
誰でも、40歳〜50歳になると、「人の名前が出てこない」「物の名前が出てこない」など、もの忘れが始まります。これらのもの忘れには、放っておいてもよい「良性のもの忘れ」と、認知症の初期症状が疑われる「悪性のもの忘れ」があります。

◇認知症とは
「記憶の障害に判断の障害が加わり、仕事や日常生活に支障が出てきた状態」をいいます。この記憶の障害と判断の障害は同時には起こらず、まず悪性のもの忘れが現れ、その後判断の障害が加わります。そこで、認知症の前駆症状である「悪性のもの忘れ」を見分けることが重要になります。

◇良性のもの忘れと悪性のもの忘れを見分けるポイント
悪性のもの忘れの特徴は、「すっかり忘れている」ことです。また、「進行する」「忘れていることを自覚できない」ことも、両者の鑑別ポイントになります。悪性のもの忘れは、「同じことを何度も尋ねる」ことで気づかれます。これは直前に尋ねたことが記憶に残らないためです。

◇軽度認知障害から認知症へ
悪性のもの忘れが生じても、判断が適切に行えるうちは認知症とはいえません。この悪性のもの忘れのみが見られる時期を「軽度認知障害」といいます。時間の経過と共に悪性のもの忘れが著しくなり、判断の障害が加わると日常生活にも支障が出てきます。この段階を認知症と呼びます。

◇もの忘れ外来
もの忘れの原因はさまざまです。認知症以外に、睡眠薬や神経障害性疼痛治療薬が原因のこともよくあります。また、難聴も原因になりえます。最近話題のアルツハイマー病の疾患修飾療法において、主な対象者は軽度認知障害です。そこで、改善可能な病態を見逃さず、治療の機会を逃さないためにも、早期の受診をお勧めします。

◇認知症高齢者を地域で支える
老いた親を支えることは、基本的に家族の問題です。しかし、家族のみで介護することは困難です。そこで、「介護保険サービスの活用」が必要です。認知症高齢者には、徘徊や不潔行為などが見られることがありますが、これらを迷惑行為と捉えるのでなく、病気のために適切な行動がとれなくなっていると患者の立場に立って考えることが大切です。その人がその人らしく人生を全うできるように援助することが介護の目標になります。

●森先生が解説する動画は市公式YouTubeチャンネルへ

●森先生が分かりやすく解説!認知症の診療~最近の話題~
【第1部】認知症診療の最近のトピックスを森先生が解説。
【第2部】「認知症の心配ごと、地域包括支援センターにご相談ください」をテーマに同センター職員が説明。
日時など:9月28日(木)午後2時~4時、枚方市医師会館2階大講堂。
申込:9月5日~20日にファクス・はがきに参加者の住所・氏名・電話番号を書いて枚方市医師会(【FAX】848・1601、〒573-1197禁野本町2-14-16)へ。先着300人。詳細は健康福祉総合相談課へお問い合わせを。

■徘徊行動への備え
認知症などで記憶力・判断力が低下すると、道に迷ったり家がどこか分からなくなる「徘徊」が起こることがあります。徘徊行動による行方不明者などの早期発見につながることが期待できる次のようなサービスを利用しましょう。詳細や申込方法は健康福祉総合相談課または地域包括支援センターへお問い合わせを。

■ひらかた高齢者SOSキーホルダー
緊急連絡先を書いたキーホルダーを身に付けることで、救急搬送や保護されたときに、医療機関や警察などが速やかに連絡できます。

■徘徊高齢者SOSネットワーク
介護保険事業者などと連携し、徘徊高齢者を早期発見するためのネットワークを構築しています。同ネットワークの利用には本人の顔写真や特徴などの事前登録が

■みまもりあいステッカー
徘徊する恐れのある高齢者などの衣服や持ち物に貼り付けるステッカー。発見者が記載のフリーダイヤルに電話することで家族などに直接つながります。一部有料サービスあり。

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