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自治体の皆さまへ

【クローズアップ】チームオレンジ~認知症の人を支える地域の輪(3)

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大阪府高槻市

■INTERVIEW 2
◆FORよりWITH
・認知症パートナー 小林順子さん
令和4年10月にパートナーに。認知症の人と接するとき、うまく対応できず、会話が自分のペースになってしまい、知識や経験の足りなさを感じていたところ、講座を知って受講

パートナーという言葉に私は惹かれました。サポーター制度は全国的な取り組みですが、パートナー制度は高槻オリジナル。助ける、助けられるという関係ではなく、対等な立場で一緒に取り組んでいく。「FOR」ではなくて「WITH」の気持ちが込められています。人間、誰しもでこぼこがあって、できること、できないことがあります。お互いがそれを補いながら、暮らしやすい社会にしていくことが求められています。

○ぜひ皆さん受講して
パートナーの講座は、年代も背景も異なる人が多く、刺激を受けました。座学だけでなくワークショップなど実践的な授業もあり、自分の役割や今後の活動を学ぶことで、認知症に関する理解が深まりました。受講後は私自身にも変化があり、例えば日常生活で認知症に対する周囲の人の誤解や偏見に気付いたり、私自身も高齢の方との接し方が変わったり。皆に受講してほしい講座です。

◆人と人をつなげる
・認知症パートナー 赤間せい子さん
令和3年7月にパートナー養成講座を受講。学んだ知識やスキルを別の誰かに伝え、認知症理解の輪を広げる取り組みを行っている

パートナーの役割の一つは、認知症の人と、そうでない人をつなぐこと。人と人、人と社会の橋渡しをするために、認知症について正しい知識を身に付け、それを誰かに伝えています。最近ではサポーター養成講座で講師としてお手伝いしたり、日本語教師として外国の方に言語と合わせて認知症のことを教えたりしています。
約9年前に父が認知症になった当時は、よく症状について理解しておらず、父にきつく言ってしまった経験があります。今になって勉強して気付くこと、反省することも多いです。

○街なかで見かけたら
認知症について学ぶと、日頃街なかで、認知症を疑われる人、困っている人に気付くことが多くなります。そんなときは、温かく見守り、時に心配ならひと声掛けるなど、さりげない気遣いをしてください。多くの人が認知症を学び、理解することが大切なのだと感じています。

■認知症の人と接するときの心構え
身近な人、知っている人が「認知症かも」と思った場合、どんな言葉をかけ、どのような対応をとるべきでしょうか。ここでは心構えと対応のポイントをお伝えします。

◆前提として知っておくこと
▽「本人」が最初に症状に気付く
思い出せなくて失敗した、家事や仕事がうまくいかない、何となくおかしい。このような体験が重なり、初めに本人が不安を感じます。

▽「何も分からない」のではない
苦手なこと、うまくいかないことは出てきますが、分かること、できることもあり続けます。誰よりも心配で、苦しく、悲しいのは本人です。

▽「私は忘れていない!」に隠された悲しみ
「私が認知症だなんて」というやり場のない怒りや悲しみ、不安から、自分の心を守るために、強く反発することがあります。隠された悲しみの表現です。

◆さりげなく自然に
健康な人でも、認知症の人でも、心情はさまざまです。「認知症の人がいる」のではなく、その人が認知症という病気になっただけ。認知症による困りごとを補いながら、さりげなく、自然に、それが一番の支援です。

まずは見守ってください。また、声を掛けるときは、正面からおだやかに、やさしい口調で。急かさず、ゆっくり対応し、相手の言葉に耳を傾けてください。

◆対応の心得「3つの“ない”」
(1)驚かせない
(2)急がせない
(3)自尊心を傷つけない
認知症の人への対応には、認知症に伴う認知機能の低下があることを正しく理解すること。そして偏見を持たず、認知症は他人事ではなく、自分たちの問題でもあると認識し、支援する姿勢が大切です。
対応のポイントは上記の3つの“ない”。正しい理解に基づく、相手の気持ちに配慮した対応が必要になります。

参考文献:認知症サポーター養成講座標準教材「認知症を学び地域で支えよう」

■CHECK
□サポーター養成講座
ID:002466
認知症を正しく理解し、本人や家族の応援者になることを目指します。受講するとオレンジリングを進呈。市が開催する日程のほか、10人以上の受講者が集まれば希望の場所で開催も可。詳しくは福祉相談支援課へ。

□パートナー養成講座
ID:069377
本人や家族のサポート活動(ボランティア活動)を実際に行っていくための3回連続講座(10月に開催)。市オリジナルの養成講座で、これまでに39人が受講。さらにスキルアップして活躍している人もいます。

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