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島津荘(しまづのしょう) ~平安・鎌倉期における南九州と都城~

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宮崎県都城市

都城島津伝承館特別展 島津荘誕生千年記念展
「島津荘(しまづのしょう) ~平安・鎌倉期における南九州と都城~」

平安時代後期の万寿年間(1024~1028)に誕生した日本最大の荘園、島津荘。本展では、島津荘の誕生千年を記念し、平安から鎌倉期の島津荘を巡る朝廷や貴族、幕府と南九州や都城地域との関わりについて、貴重な文化財を紹介しながらひもときます。

■島津荘の起源
古くから、島津荘は「平季基(すえもと)が摂関家へ寄進し、誕生した」と言われてきました。しかし、荘園に関するさまざまな昨今の研究によってその解釈が見直されてきています。
都城では、当時の人々が開発によって基礎を作った土地の利権を守るために、大宰府役人平季基と、大宰大弐(だざいのだいに)で摂関家の家司であった藤原惟憲(これのり)の仲介により同家にその土地を寄進し、誕生したのが島津荘です。荘園誕生の根底には、自分たちの土地を守りたいという地元の人々の強い思いがありました。

■時代とともに変化する管理体制
鎌倉幕府は、島津荘の管理を担う地頭職として、摂関家にゆかりの深い惟宗(これむね)忠久(のちの島津忠久)を任命し、摂関家への年貢収納や荘域内の治安維持を委ねました。
元寇後に幕府の体制が揺らぎ始めると、荘園の事実上の管理者である領家と幕府が任命した地頭との間に衝突が起き始めます。その中で、領家の影響力が次第に低下。また、貨幣経済や流通の進展に伴い、荘務を担える人材も増加したことで、新たな荘園管理体制が生まれていきました。
時代とともに体制を変えながら、戦国時代までその名を残した島津荘。本展では、その誕生から消滅までの消長を追いかけます。

■企画展の概要
会期:10月14日(土)~11月26日(日)
※月曜日は休館
観覧料:一般400円(300円)、高校・大学生300円(200円)、中学生以下無料
※( )内は20人以上の団体料金。11月3日(金・文化の日)・23日(木・島津発祥まつり)は観覧料無料

[主な展示史料]
○国宝 今昔物語集巻29
(京都大学附属図書館所蔵)
日本最大規模の説話集。全31巻で本書が最古の鈴鹿本(写本)です。本巻には、日向の国司が機密情報を守るために書生を殺害する説話が収められています。荘園が拡大していく時期に地方行政機関が存在していたことがうかがえる重要な史料です。

○重要文化財 薩摩国伊作庄日置北郷下地中分絵図(いさくのしょうひおきほんごうしたじちゅうぶんえず)
(東京大学史料編纂所所蔵)
本絵図は、元享(げんきょう)4(1324)年、島津荘の薩摩国日置北郷(現在の鹿児島県日置市)の全土地を領家と地頭に中分し、領内の年貢収納事務や警察権などをそれぞれ実施できる内容の和議が描かれています。管理組織の存在や、鎌倉時代後期に土地を二分するような幕府方と荘園方の論争があったことをうかがわせます。

問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116

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