文字サイズ
自治体の皆さまへ

なるほど健康教室[203]

6/28

山口県岩国市

■肘部菅(ちゅうぶかん)症候群

肘部管症候群は、肘の内側(上腕骨内側上顆(じょうか))の後方にある肘部管というトンネルの中を通っている尺骨(しゃっこつ)神経が、障害を起こした状態をいいます。
仕事やスポーツで腕をよく使う男性に多く、原因としては神経を固定している靱帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫、加齢による骨の変形による圧迫、肘の骨折による変形などがあります。
症状は、初めは小指と薬指の一部にしびれや痛みを感じます。親指から中指にはしびれは出ません。肘から手の内側に痛みを感じることもあります。悪化すると手の甲の骨と骨の間の筋肉が痩せてきます(筋萎縮)。伸ばした指と指を閉じる(内転)力が落ちて、紙をしっかり挟むのが困難になります。更に進行すると、小指と薬指が曲がったままの状態に変形していきます。
診断は、肘関節を動かした時の疼痛や可動域、肘の内側を軽くたたいて小指・薬指にしびれが走るティネル徴候、筋力低下の有無などで行います。確定診断には、神経伝導検査、超音波検査、MRI検査も使います。頚椎部での神経障害でも同様の症状が起きることがあるので、鑑別診断が必要です。
治療は、神経障害が軽度であれば、安静や薬の投与で良くなることもあります。それでも改善しない場合は手術治療が必要です。手術は尺骨神経を圧迫している靭帯や腫瘤を切除して神経を開放してあげます。神経の緊張が強い場合は骨を削る処置を加えたり、場合により神経を肘の前に移動させて神経の緊張を和らげたりする処置が必要となります。症状が進行して筋萎縮が生じると回復が難しくなりますので、早期の受診をおすすめします。
〔岩国市医師会〕

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU