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議会だよりNo.88(2)

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山口県阿武町

▽市原旭(いちはらあきら)議員
Q.阿武町の地域医療について
A.地域医療の確保と生活支援体制の整備を進める
問:
萩圏域の「中核病院づくりに向けた取り組み」は、阿武町にとっても、重要である。
その進捗状況と、町長の率直な意見は。
町長:
圏域内では、医師・看護師などの医療従事者の高齢化や人材不足が深刻化している。
必要不可欠な医療提供体制維持のためにも、早期に「新中核病院」の設置が決まることを願っている。
萩市議会で特別委員会が設けられ、来年4月の発足をめざす協議が展開されている最中であるため、町としては現時点での発言は控えたい。

問:
かつては不治の病とされたがんも、定期検診での早期発見により完治した話をよく耳にする。
阿武町の疾病予防の取り組みは。
町長:
疾病の早期発見・早期治療は、医療機関の負担軽減にもつながると考え、多くの方に健康診断の受診を促すと共に、個人負担軽減や未受診者への受診勧奨を行っている。
個人負担額についても、令和4年度からは、経費の1割程度を目安に、従来より安価に設定している。

問:
福賀診療所の医師の定年が迫っている。
特に診療所には「総合診療医」的な見立ての良い医師が求められるが、現在の政井俊憲(まさいとしのり)医師は、住民の信頼も厚く、福賀にとって欠かせない、大切な人材である。
診療所での受診により、初期の段階で病気が発見されて大病院に移り、命が救われたというケースも非常に多い。
医療機関の確保は住民の自助・共助が及ばない問題であるため、町の施策による診療所存続を強く望むが、町の構想は。
町長:
政井医師は、平成5年から勤務し、今年6月で、勤続30年になる。
条例で、医師の定年は満65歳となっており、来年3月末で定年を迎える。
本人との話の中では、「福賀への愛着もあり、要請があれば、定年後も体力と相談しながら勤務日数を調整し、嘱託としてしばらく勤務してもよい」との意向をいただき、大変ありがたく思うと共に、今後も何らかの形で診療をお願いしたいと考えている。
一方、福賀診療所は大幅な赤字経営であり、令和元年度以降、診療収入で人件費さえ賄えていない状態が続いており、今後も、さらなる人口減少により赤字拡大が顕著になると容易に想像できる。
もちろん望むわけではないが、中期的には、収入で人件費が賄えるように縮小が求められ、いずれは閉所などを検討せざるを得ない時期が訪れることは避けられない。
町全体の医療機関の見直しについては、まだ説明できる段階ではないが、すでに数回、協議の場を設けている。
今後も、町の医療体制確保を推し進めていく。

▽松田穣(まつだみのる)議員
Q.マグロ混獲回避に町独自の施策は
A.現状把握のため水揚げ現場に立ち会う
問:国際的な資源保護の取り組みに対し、町独自に漁獲枠を増やすのは不可能であると容易に想像できるが、漁業者に対し、何らかの形で町独自の支援ができないものか。
町長:
漁獲枠は国際機関が決めるもので、漁業法との兼ね合いもあるため、町ではどうにもできない。また、国の支援制度がある中、さらに単独町費で上乗せすることは現時点では難しい。
国や県に対しては、毎年実施される与党山口県連の政調会などにおいて、捕獲枠の確保や混獲防止にかかる技術支援などについて、機会あるごとに要望している。
なお、私は、昨年末から「全国市町村水産業振興対策協議会」の理事および山口県支部長に就任したため、現場の状況や漁獲枠の確保については、ぜひ、国の関係省庁にも直接要望していきたい。

問:どのようにマグロを放流するのか、あるいは、漁業者がどれだけ困っているのかについて、状況を把握するために視察などを行うべきではないか。
町長:
2年前から、農林水産課長も同行した上で「宇田郷定置網」の水揚げ現場に立ち会いたいと考え、乗船日程も決めていたが、天候不良によりいまだ実現していない。
宇田郷は宇田郷として再度日程を調整しつつ、今回のご提案を契機に、奈古の定置網についても、ぜひ乗船させていただきたく、改めて日程調整をしたい。

Q.住民生活への経済支援について
A.財源などの要素を見極め総合的に判断する
問:現在の物価高による家計負担が大きくなっている中、住民の生活では、お宮の補修や空き家解体の個人負担など、突発的な出費もあるかと思うが、融資制度などは考えられないか。
町長:
「融資」は、一般的に金融機関が行うが、収入・年齢条件などによっては、金融機関からの融資が難しい場合もある。
そういった方を対象に、社会福祉協議会で、生活資金などの貸付制度がすでに用意されており、相談・申し込みは、町社協が窓口となっている。
このような融資制度がすでにある以上、町独自で制度を創設することは現時点では考えていない。
しかしながら、この制度のことを知らない方も多いと思われるため、今後、社協と連携しながら周知に努めていきたい。

問:昨年度は、家計支援に関して、V字回復応援券や商品券など、全町民に行き渡る支援策があったが、今後は。
町長:
令和4年度の商品券事業は、国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し、不足分は町の一般財源も投入して実施した。
コロナについては、一応の収束を見せる一方、物価などの高騰は続いている。現在、政府では、3月末を目途に、物価や燃料費の高騰に対する追加対策の方針を取りまとめている。
どのような国の方針が打ち出されるのか、また、「地方創生臨時交付金」などの交付金の有無や財源についても、事業実施の判断に大きな影響があるため、それらを見極め、町独自の施策が必要だと判断した場合には、事業を実施する。

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