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議会だよりNo.89(3)

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山口県阿武町

▽松田穣(まつだみのる)議員
Q.路地整備と空き家解体について
A.調査結果を受けて可能性を模索

問:
今年度、「老朽危険空き家除去促進事業」が始まったが、路地が狭い住宅密集地では、対象家屋まで車両が進入できず、解体費用も余分にかかる。
また、住宅のリフォームでも、車両が入れる住宅と、入れない住宅で、その工事費用に差が出る。
火災時には車両が入れず、消火活動に支障が出る恐れもある。
日常生活でも、デマンド型交通をドア・ツー・ドアで利用できない住宅もある。
ここ何年かで、空き家や空き地が増加しているが、車両が通行可能な道路整備について、今後の見通しは。
町長:
奈古浦や宇田浦の漁業集落では、道が狭くて消防車両などが入れない路地も多い。
交通の悪条件から、空き家の活用もされにくい。
過去には、奈古浦の火災で、民家6軒が全焼し、2人の尊い人命が失われた。
延焼の最大の要因は、家々の隙間、さらに路地も狭く、消火活動が著しく困難だったことだと考える。
奈古浦の火災発生時、延焼を抑え、消火活動を円滑にするには、密集家屋の中に、一定程度の幅員がある道路の整備が、大きな解決策になるとの指摘はそのとおりであり、ずっと以前から、そのような道路の実現について検討したこともある。
平成10年頃、奈古浦の漁港整備の一環で集落内の路地を拡幅する構想があったが、多くの家屋移転の必要と、莫大な経費などを鑑み、具体的な計画には至らなかった。
25年経過した現在も同様だが、当時とくらべ、空き家件数は確実に増えている。
仮に、そのような道路を整備するという場合にも、「候補地の路地沿いに空き地や空き家が連なっており、人が居住している家屋は1・2軒程度であり、居住者の方が移転を受け入れてくださればなんとかなる」といったような一定の見通しが立たなければ、用地や経費の検討が難しい。
とはいえ、通り抜け道路の必要性は十分に認識しており、なんとか実現の余地はないだろうかと考えている。
6月中旬には、自治会長集会でお願いした最新の「空き家調査」の結果が出るため、それも踏まえて、土地や家屋の動向などを把握し、可能性を模索する。

問:
「老朽危険空き家除去促進事業」について、まずは第一歩を踏み出した段階だと思うが、より踏み込んだ対応も検討が必要である。
町内には、強制代執行を検討する対象となっている空き家はあるのか。
また、そうした空き家に課税される固定資産税について、回収できない金額はどれほどであり、回収の見込みはあるのか。金額が大きいのであれば、強制代執行などの措置に踏み切っていく施策も必要ではないか。
町長:
固定資産税の課税対象となる家屋は町内に1641件であり、所有者などが不明なものはない。
また、課税対象外の家屋が255件あるが、異動などの把握は難しい。また、相続放棄など、課税しても通知相手がいないような状況の空き家が6件ある。この回収されない固定資産税は、令和5年度課税では、家屋6件、11万7400円であり、回収も滞納処分も難しい状況である。
最終的には「強制代執行」という手段もあるが、町が町の費用で解体撤去するわけであり、現実問題として、立て替えた撤去費は、回収不能になると思われ、踏み切れない現状である。

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