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シリーズ「松江の匠」

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島根県松江市 クリエイティブ・コモンズ

市は長年にわたり地域産業の発展に貢献された技能者の方々を表彰しています。
令和四年度松江市手作り産業優良技能者表彰

■No.2 田辺厚志(たなべあつし)
田辺畳店(西津田)
(功労賞受賞)
推薦団体…島根県畳組合松江支部

父が始めた畳店を継ぐものだと幼い頃から思っていた匠。小学生の時からお客さまのお宅に付いていき、畳仕事に触れてきました。昔気質であった父親の厳しさの中、黙々と技術を磨き、馴染みのお客さまへ初めての仕事をした際に頂いたご祝儀は、今でも忘れられない思い出だと語ります。
畳の製造は近代化が進んでいて、『い草』以外にもプラスチックや和紙など新しい素材を使用したものが次々と生まれ、時代にあった畳づくりが求められます。近代技術を取り入れながら、匠が伝統技術に目覚めたのは、今から15年ほど前。「丸い茶室を作るから、丸い畳を作ってほしい」と依頼が入りました。これまで四角い畳づくりの経験しかない匠は、製作方法を調べ、伝統技術に円形畳を作る技法があることを知ります。丸い縁にシワを作らず縮め・縫い上げる作業は、並大抵の技術ではできません。熱すぎない熱風を丁寧に縁の生地に当て、模様が歪まないようにする作業など、試行錯誤しながら独学で製作にあたりました。製作を進める中、伝統技術の奥深さに探求心が刺激され、そこから技術研究が始まりました。今ではどのような依頼でも対応できる技術を習得しています。
『い草』は、冬の寒い時期に植え付け、夏の暑い時期に収穫するため労力がかかります。「材料を無駄にしない」という謙虚な姿勢は、い草農家への敬意を表しています。生活において身近なものだからこそ、生活に馴染むよう、一つ一つ丹念にお客さまの家にあった畳づくりを心がけ、日々仕事に打ち込んでいます。
「代々受け継がれてきた伝統技術をなくしたくない」と語る匠。今後新しい製品との融合で伝統技術を残していけたらと、未来を見据えています。

問い合わせ:まつえ産業支援センター
【電話】60-7101

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