■第38回:「難聴があると、いろいろな部分に害がでる」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。
先日いただいた質問はこれです。
「難聴って聞こえないだけで、気にしなくていいですか?」
難聴は歳を重ねる中で出てくる症状で、65歳以上の方だと3人に1人が難聴になっていると言われています。高齢の方では一般的な症状になっていますが、耳以外に重大な症状を引き起こすことがあることが分かってきています。
最近の研究で、難聴がいろいろな病気のリスクになることが分かってきており、報告が多くなっているのが、心臓や血管の病気になる可能性です。難聴になり、それに対して治療を受けていないと、心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなるそうです。
さらに、難聴は認知症の原因の一つと言われており、耳鼻科受診や補聴器の調整によって、その発症を抑えることができると言われています。なぜそうなるのかはまだ詳しくわかっていませんが、難聴が体になんらかの影響を起こしていることは確かなので、できるだけ治療を受けたいですね。
難聴が気になっている方は、できるだけ早めにかかりつけ医に相談してください。
◎認知症の危険因子
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