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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■かんきつ類のカイガラムシ対策
かんきつ類にはカイガラムシと呼ばれる害虫が発生します。葉や枝、果実に寄生して樹の成長や果実の外観品質を損なう被害が発生するので、農薬による防除が必要な場合もあります。今回は町内のカかんきつ園でよく見られる主要なカイガラムシについて解説します。

◇1 カイガラムシ類の特徴
カイガラムシ類の多くは、虫体の外部に産卵、卵からふ化してしばらくは活発に歩行しますが、定着すると動かなくなります。(一部、成虫になっても歩行する種もある)成長すると蝋物質の殻や粉に覆われ水をはじく性質が強く、一般の農薬の効果は期待できません(冬季の機械油乳剤は除く)。農薬による効果的な防除時期は、幼虫期に限られます。(防除時期は表参照)主な被害は、虫体の果実寄生や「すす病」が発生して果実や葉が黒くなり外観を大きく損ないます。

▽表 かんきつ類の主要なカイガラムシ類の防除適期

◇2 主要なカイガラムシ種の特徴
(1)ヤノネカイガラムシ
成虫は、くさび型の殻に覆われ、葉、枝、果実に寄生し、果実ではゴマ様の虫が付着して外観品質を落とします。(写真1)多発すると枝が枯れてしまうこともあります。年間3回発生するが、近年は中国から導入された寄生蜂(天敵)により発生が少なくなりました。

(2)イセリアカイガラムシ
成虫は、比較的大きく白い蝋物質に覆われ、よく目立つ。(写真2)虫体は柔らかくつぶすとオレンジ色を呈する。年間3回発生し、多発すると「すす病」が発生します。べダリアテントウという有力な天敵によりしばらくすると食い尽くされていなくなりますが、適期防除逃すと多発することがあります。

(3)フジコナカイガラムシ
成虫は、白い蝋物質に覆われ、イセリアカイガラムシよりも小さく成虫は白い楕円形です。(写真3)幹の隙間や果実の接した部分に寄生し、成虫は歩行でき、産卵期は虫体が綿毛で覆われます。多発すると激しい「すす病」の発生や果実の着色異常が発生します。有力な天敵は少なく、幼虫期に2週間おきに2回の殺虫剤防除が必要です。冬季の機械油乳剤の効果が低い厄介なカイガラムシです。

(4)ナシマルカイガラムシ
成虫は丸く小く、葉や枝、果実に寄生します。虫体が小さいので、夏季の幼果で緑の濃い斑点が点在していることで発生に気づきます。(写真4)年間3回発生し果実では、虫体の付着した部分が緑斑となるため果実品質が低下します。冬季の機械油乳剤が有効です。

(5)ロウムシ類(ツノロウムシ、ルビーロウムシ)
成虫は、蝋物質に覆われ、ツノロウムシは白色、ルビーロウムシは赤紫色をしています。(写真5)樹の先端付近の枝に数珠つなぎに寄生します。年間1回発生し、多発すると「すす病」が発生します。冬季の機械油乳剤の効果が低いので、発生園では寄生枝の切除を行い7月中旬に殺虫剤の散布が有効です。

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