文字サイズ
自治体の皆さまへ

特集 のぞいてみよう おだこうアオハル地域未来(4)

6/38

愛媛県内子町

■おだこうで過ごしたアオハルの先に
小田分校の先輩、先生、そして地域の人々―。生徒たちが小田で過ごす3年間を、みんなが大切にしようと思っています。そんな思いと小田分校の今が、生徒たちの未来にもつながっています。小田分校の卒業生で初の県外生だった川倉さんに話を聞きました。

◇小田分校4年度卒業
川倉 大征(ひろゆき)さん
「小田の皆さん、ありがとう」。小田分校での3年間を振り返ると、そんな気持ちがあふれます。僕は中学生の頃、家族には話せるのに、なぜか学校に行くと話せませんでした。周りの目が怖くて、中3の頃は学校に行けなくなっていました。
そんな自分を変えようと選んだのが小田分校です。初めての県外生で、舎監さんや先生には苦労をおかけしたことと思います。新型コロナが発生したのも、僕が入学してすぐのことでした。来たばかりの不安と孤独感で、「もうやめよう」と何度も思いましたが、そのたびに担任の黒木吾緒(ごお)先生が「自分を変えようと小田に来たんだから、一緒に変えていこう」と熱心に引き留めてくれました。学校が再開するまで、個人授業をしてくれたり、テニスの相手をしてくれたり、先生のおかげで学校に行きやすくなりました。
先輩や同級生にも感謝です。全然しゃべれない僕の言葉を気長に待ってくれたので、徐々に自分の殻から出て話せるようになりました。友達もでき、思い出もいっぱいに―。みんなと自転車で隣町まで走ったこと、負け続けたソフトテニス部で最後にいい試合ができたこと、同級生4人とけんかしながら出場した運動会のムカデ競争のこと。楽しくて、3年生の最後の方はずっと笑っていました。中学校のときは、笑いあったりけんかをしたりする友達もいなかった。周りと関わることなく、ただ学校に行って帰るだけの毎日でした。みんなと出会えたから、自分を変えることができ、今の自分があります。
今、大学で地域課題の解決方法などを学んでいます。将来は小田のようなすてきな地域を守る仕事をしたいと思っています。皆さんに支えられた3年間は、自分の未来を変える3年間でした。小田分校じゃなかったら高校にも行っていないかもしれません。小田は僕にとって第2のふるさと。思い出と感謝の気持ちを胸に、大学での新しい学校生活も頑張ります。

■これからも小田分校は子どもたちの未来を応援
取材した皆さんからは「ありがとう」という言葉があふれます。誰かとのつながりなしには生まれてこない言葉で、小田は人との関わりを大事にする温かな地域だということが伝わってきました。
「小田分校に来て変われた」と話す生徒もたくさんいます。好きな自分を見つけられた、一度はつまずいたけれどまた頑張ろうと思えた、自信が持てるようになった―
そんな生徒たちの変化をここにいる大人たちは自分のことのように喜びます。「今いる子どもたちを大切にしたい」。心からそう思える温かな地域だからこそ、生徒たちは小田分校で過ごした青春の先に、まだ見たことのない自分と出会えるのかもしれません。
この場所で、生徒たちが精一杯学び、楽しむ姿がいつまでも続いてほしい―ここでの思い出が多いほど、地域の人たちの喜びも増え、地域の未来も広がっていくのかもしれません。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU