■姉妹都市「セント・キルダ市」
国際交流員 Adam Simmonds
今年は、大府市とポート・フィリップ市(オーストラリア連邦ビクトリア州)の姉妹都市提携が30周年を迎えます。しかし、30年前の1993年11月に大府市と姉妹都市提携を結んだのは、現在のポート・フィリップ市ではなく、セント・キルダ市でした。
両市の提携の礎を築いたのは、1980年5月の愛知県とビクトリア州の友好提携と、1985年11月の大府東高校とエルウッド・カレッジ(セント・キルダ市)の姉妹校提携です。学校同士の交流の一環として、教員と生徒の相互訪問が始まり、訪問先の市役所へ行ったり、市長宛てにあいさつ文を届けたりして、両市のやり取りが始まりました。
1991年に協議が行われ、1993年11月にセント・キルダ市と姉妹都市提携を結ぶことになりました。
ところが、1994年6月にセント・キルダ市は、北隣のポート・メルボルン市とサウス・メルボルン市と合併しました。合併後は、西側がポート・フィリップ湾に面していることから、「ポート・フィリップ市」と名付けられました。合併から29年が経っても、オーストラリアでポート・フィリップ市のことを尋ねても、ピンとこない人が多いようです。自治体の名前より、昔からメルボルンの人たちの夏の遊び場として知られる「セント・キルダ」の名で親しまれています。市役所として使われている建物でさえ、現在も正式に「セント・キルダ市役所」と呼ばれ続けています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>