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大川市長と津森国交省所長がトップ対談「渡良瀬遊水地を賢く活用しよう」(2)

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栃木県栃木市

■コウノトリに子育てを学ぶ
――こうした取り組みの成果の一つが、コウノトリの定着ですね
津森:2020年、河川の敷地では初めてひなが誕生して感動しました。それが4年間も続いているのは素晴らしいことです。ラムサール条約湿地登録の趣旨である「水鳥の生息地として重要」に照らし、遊水地の良好な環境を表してくれていますね。環境の保全に取り組む人々の励みになります。
市長さんがおっしゃる子どもの多面的な学びにも繋がります。自然を愛でる、生き物を愛でる心は、自然に接して初めて育まれます。
大川:私は、日本が直面する少子化問題で、コウノトリに学ぶことがいっぱいあると思っています。子育てを見ていると、卵を温めるのも、餌を取ってきて与えるのも、お父さんとお母さんが平等、対等にやります。また、安心して子育てできるのは食べ物が周りにあるから。人間に例えれば経済力です。私たちも、夫婦が一緒に子育てをし、負担を減らす支援をする必要があると実感しています。
栃木市でも昨年、利根上さんの許可を得て、人工巣塔が2基、設置されました。第1調節池の巣塔では、オスの「カズ」が足環のない1羽と2年続けて巣作り。第3調節池でも、コウノトリが2羽、巣塔にとまったと報告されています。今後に強く期待しています。

■遊水地の魅力をさらに磨く
――大川市長が保全・利活用協議会の会長に就任しました。取り組む方針は
大川:協議会は4市2町や治水団体、環境保護団体などが参加して、意見を交わす場です。市の「ハートランドプラン」をはじめ各市町のプランを踏まえつつ、遊水地があって良かったと思ってもらえる将来ビジョンを作りたいですね。利根上さんのご協力もお願いいたします。
津森:遊水地は今後も人が手を加え、関わり、みんなで守り育む必要があります。協議会の役割は重要になりますね。
併せて、遊水地のいろいろな魅力を磨き高めていくことが必要だと感じます。ボート、熱気球などのアクティビティー。違う切り口で、「恋人の聖地」という魅力の発信もあるでしょう。ヨシズのような、通常の観光の視点とは違う価値もあり、さまざまなものを光らせていくことが大事だと感じます。
また、地域外への魅力づくりだけでなく、栃木市民が一層、「遊水地って大事だよね」と思えるようになると良いですね。私たちも一緒に取り組みます。
大川:「恋人の聖地」には、日本一大きいハート形の谷中湖とハートランド城を申請し、昨年10月に選定されました。この事業の目的は、少子化対策と地域活性化なんですね。年末に赤い絨毯の上を2人が手を繋いで熱気球に乗る「カップルフライト」を行ったところ、好評でした。今後も出会いの場作りに活用します。
津森:先ほどのコウノトリの子育てのことと、ぴったり繋がってきますね。

・対談は7月末に、前半は谷中湖を望む遊水地で、後半は市ハートランド城で開催

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