■尼草戦功記 明治時代
『尼草戦功記』は明治時代に作られた歴史物語です。島原・天草一揆の発端から討伐後の報奨までを収録しています。表紙には、幟を背に鎧をまとって戦闘する天草四郎が、色鮮やかに躍動感をもって描かれています。これは数々の神秘的なことを起こしたという伝承から想像される四郎像とは異なり、一揆を率いた武将としての勇壮さが強調されています。また、挿絵には、城攻めの様子や馬に乗りながら剣を交える武士など描写され、一揆の激しい戦闘様子を伝えます。
熊本大学大学院生 牧野寿美礼
<この記事についてアンケートにご協力ください。>