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自治体の皆さまへ

〔特集〕防災の備えを日々の暮らしに(2)

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熊本県宇土市

■運動ついでに備える
災害が起こった時、救助がすぐに駆けつける事ができるとは限りません。まずは自分の力で逃げる必要があります。さらに、家族、友人、隣人が被害にあったとき、がれきや荷物を動かす、スコップでの泥すくい、倒木の撤去など自助や共助が必要になってきます。そんなときに自力で逃げるため、大切な人を守るために日頃から運動に取り組み、災害に備えましょう。

▼ウォーキング
週3回以上の有酸素運動(ウォーキング・ジョギング)をおすすめします。定期的に家の周りを歩くことで、天気や季節による日々の変化にも気づきやすくなります。長く継続するために、無理のない範囲で、短い時間から始めるのがポイントです。

▼ストレッチや100歳体操など
老人福祉センターやお元気クラブ、ふれあいクラブでストレッチや100歳体操など様々な活動が行われています。多くの人と触れ合いながら運動することで、楽しく災害時に自分で逃げる力がつきます。

▼無理のない範囲で運動を
スポーツ推進委員を務める木下悦子さんに防災に役立つ運動について伺いました。
宇土市スポーツ推進委員協議会
会長 木下(きのした)悦子(えつこ)さん
笹原町在住。スポーツ推進委員として宇土のスポーツ推進に務める。68歳。

最近、天気の良い日はウォーキングをするようにしています。家の周りを歩いていると、「近道があったな」とか「ここの塀が崩れそうで危ないな」と最新の地域の状況を把握できます。災害時、自分の力で避難する為に、日頃からウォーキング等の運動をおすすめします。そして、時間がある時は、自分の地区の避難所まで歩いてみるのもいいかもしれません。避難所までどのくらいの時間がかかるか、どの道を通るかを確認しておくと、災害時に焦らず避難ができますね。
これから梅雨時期に入ると外に出て運動ができなくなりますが、家でテレビを見ながら足踏みしたり、イスに座って足を上下させることで筋力アップにつながります。無理のない範囲で日頃から身体を動かしましょう。
宇土市スポーツ推進委員は、「一生涯できるスポーツ」を目標にスポーツ大会等を企画しています。仲間とともに「あんた上手ねー」とか「負けたけん悔しか」などコミュニケーションを取ることが、身体と心の健康につながります。これからも、年齢に合わせたルールで無理なく楽しむ運動を提案し、宇土のスポーツを推進していきます。

■ペタンク大会を開催します
ニュースポーツの一つであるペタンク。どなたでも楽しむことができます。参加お待ちしております。
日時:6月25日(日)8:00~
場所:立岡総合グラウンド
参加費:1,500円(3人1組)
申込先:ecowin宇土アリーナ(宇土市民体育館)【電話】23-3472

■片付けついでに備える
地震発生時のケガの30%~50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因です。これは火災の原因や避難経路の妨げにもなります。収納家具の数を絞って集中的に収納する、家具を安全な場所に設置する、家具を固定するなど、地震に強い部屋づくりをしましょう。

○近年発生した地震における家具類の転倒・落下・移動が原因のけが人の割合

参考:家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック東京消防庁

▼災害時に必要な物の場所、把握できていますか?
例えば今、懐中電灯が家のどこにあるか思い浮かびますか?災害時は今より混乱した状態です。どこに何があるかを家族で定期的に確認しましょう。

▼防災を片付けのきっかけに
防災士で引越し業を営む藤吉真悟さんに、防災に役立つ部屋の片付けについて伺いました。
(有)第一梱包宅建引越
代表取締役 藤吉(ふじよし)真悟(しんご)さん
花園町で引越し業を営む。熊本地震を期に防災士の資格を取得。自身の経験を活かし、防災を交えた引越しや片付けについてのアドバイスを、講演活動や動画配信サービスを使って行う。41歳。

引越し業をやっていますが、家具に突っ張り棒を付ける等の防災対策を行っている家庭は、10件に1件程度です。まだまだ防災への意識が薄いように感じます。また、防災グッズを取り付けるだけが防災ではありません。例えば、家の廊下に物や食糧を置いたり積んだりしていませんか?そういった物が溢れていると、災害が起きた時、避難経路を塞いでしまいます。
棚や押し入れなどの収納スペースにしまえない物はその家の許容量を超えてしまった物です。収納スペースの中に長年使っていない物が無いか見直し、収納できる量を購入することがポイントです。
私自身、熊本地震で祖父の代から住んでいた家が被災し、家から物を全て出すことになりました。その時に搬出した荷物の量はなんと、4トントラック4台分。荷物の量が多く、片付けに多くの時間がかかりました。その後、新しい家に持って行けた荷物の量は1/4のわずかトラック1台分でした。物が多いと、一つ一つ必要かどうか判断するのに時間がかかり、精神的にも疲れてしまいます。普段から、不要な物は捨て、なるべく必要な物だけを家に置くようにしましょう。
家の片付けや整理はきっかけがないとなかなか始められないですよね。私は、熊本地震がきっかけとなり、家の整理ができましたが、災害時ということもあり、疲弊した中で多くの労力と時間がかかりました。災害時に早い復旧ができるように今すぐに始めましょう。片付けが防災につながることを多くの人に知ってもらい、防災への意識を広げていきたいです。

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