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私たちと文化財 294

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神奈川県鎌倉市 クリエイティブ・コモンズ

■発掘調査の成果を紹介
3月に『鎌倉の埋蔵文化財26』を刊行しました。これは、市内で行われた発掘調査の概要をカラー写真で紹介している冊子です。同書では、令和3年度に市内で行われた4遺跡5地点を紹介しています。

■(1)武蔵大路周辺遺跡(扇ガ谷三丁目)
国指定史跡・亀ヶ谷坂の扇ヶ谷からの登り口に当たります。鎌倉時代中頃~室町時代(13世紀中頃~15世紀)の10面にも及ぶ生活の跡が見つかり、道路と推定される遺構や石積みの溝などが発見されました(写真)。青磁の花瓶や化粧道具、お茶に用いる天目(てんもく)茶碗や茶入れなど、高価な中国製陶磁器が出土しています。

■(2)若宮大路周辺遺跡群(雪ノ下一丁目)
川喜多映画記念館の南側に当たります。鎌倉時代後期の地層からは漆の付いた箆(へら)や漆を漉(こ)した布、漆をこねるのに用いた玉石、漆の表面を研ぐのに用いられた砥石(といし)など、漆器制作の道具がまとまって出土しています。

■(3)若宮大路周辺遺跡群(大町一丁目)
夷堂橋(えびすどう)の南側で滑川と小町大路に挟まれた場所です。鎌倉時代後期(13世紀後半~14世紀前半)の切石敷きや板壁の残る半地下式の倉庫が発見され、物流の拠点を示す遺構と考えられています。

■(4)北条時房・顕時邸跡(雪ノ下一丁目)
鉄井(くろがねのい)の隣接地です。鎌倉時代初期~江戸時代(12世紀後半~17世紀)にわたる多数の生活の跡が見つかりました。土留(どど)めに用いられた板には傘・男の人・馬の絵などが描かれていました。

■(5)甘縄神社遺跡(長谷一丁目)
鎌倉文学館の隣接地です。古代と中世の遺跡が発見されています。古代の層からは飛鳥時代~奈良時代(7世紀後半~8世紀前半)の土師器(はじき)・須恵器(すえき)のほか、占いに用いられた卜骨(ぼっこつ)や鍍金(ときん)をした馬具の部品(鏡板(かがみいた)=くつわに付ける飾り金具)が出土しています。

『鎌倉の埋蔵文化財』は文化財課(鎌倉水道営業所庁舎2階)でバックナンバーも含め、無料で配布しています。また、市ホームページでも公開しています。

文化財課

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