文字サイズ
自治体の皆さまへ

言葉や文化の違いは関係ない!みんな違ってみんなふくい(3)

4/27

福井県福井市

福井で活躍する国際交流のスペシャリストたちに、多文化共生社会の実現のための活動や、異文化交流のこつなどについて、経験談を交えながら思いや考えを語ってもらいました。

■日本人も外国人も、気軽に憩える場所を目指して
料理店経営(日本歴24年)
コマラ・デビさん

「ふくい外国人コミュニティリーダー」として、行政から発信される災害などについての重要な情報を、SNSなどを用いて届けるなど、橋渡しの役割を担っているコマラ・デビさん。「自分が日本に来たばかりのころは言葉も分からず、福井での暮らしは非常に不安でした。その経験をもとに、一人でも多くの外国人に対し、正確で安心できる情報を届けていきたいです」と熱心に語ります。
福井に住んで20年以上。現在は、インドネシア料理店「ジャカルタフード・インドネシア」(文京3丁目)の店主を務めるデビさん。料理店を経営する傍ら、国際交流を目的としたイベントを催すなど、福井の国際交流、多文化共生を支えています。
「20年前、福井にはみんなと気軽に交流できる場所や機会が少なく、とても寂しい思いをしました。そこで、日本人も外国人も気軽に集える『憩いの場』を作りたいと考え、お店を始めました」と話します。
店には日本人だけでなく、数多くの外国人留学生や実習生が集まっています。「生まれ育ったジャカルタの食を届けることを通じて、国籍に関係なく楽しめる空間を創ることに、やりがいと楽しさを感じます。お店は、留学生や実習生の『相談場所』としての一面もあります。勝手に彼らのお母さんになった気分で日々接しています」と笑顔で話します。
昨年、母国インドネシアのジャカルタにも、日本食を扱う飲食店「フクイ・ジャカルタフード」をオープンさせたデビさん。「私の中で日本と言えば福井、お店の名前には大好きな『フクイ』を入れました。日本の良さを、日本食を通じて母国の友達にも伝えることができて幸せです」と話します。
「今後、『ジャカルタ・インドネシアフェス』など、母国インドネシアと福井をつなぐ交流イベントをたくさん企画していきます。今よりもっと福井の人たちと交流し、一緒に福井のまちを盛り上げていきたいです」

■外国籍の人たちの声に耳を傾けることが大切
清明国際交流クラブ代表 笠松澄子さん
清明公民館館長 川口英雄さん
清明まちづくり委員会 安心と思いやり部門 部門長 池尾惠子さん

国際交流や多文化共生の動きが盛んな清明地区。市民団体「清明国際交流クラブ」は、10年以上前から、地区の人たち、特に子どもたちや外国人を対象とした多文化共生を推進する活動を続けてきました。現在は、清明公民館、清明まちづくり委員会も含めた三者による取り組みが始まろうとしています。
清明公民館は、地元の足羽中学校、足羽高校と連携して地域で交流を深めてきました。昨年開催された、足羽高校多文化共生まちづくり班「AIS(アイス)」と連携した「そば打ち体験」や、城山登山体験などを通じて異文化交流を行い、お互いの文化への理解を促進させてきました。
また、清明まちづくり委員会でも同様に、公民館での国際交流イベントの開催などに力を入れています。7月には、地区で暮らす外国人のニーズや特徴などを把握しようと、中国人やベトナム人を対象としたアンケートを実施。委員の池尾さんは、「外国籍の人も、清明地区を構成する大切な存在。今後も、地域に住む外国籍の人たちの声に耳を傾け、大雪などの災害時にもしっかりと必要な情報が行き届く体制を築いていきたいです」と話します。
長年、清明地区の多文化共生を支え推進してきた清明国際交流クラブ代表の笠松さん。「今後は、公民館やまちづくり委員会とより一層連携を深め、活動の幅を広げていきたい。清明地区だけでなく、市内の至るところで国際交流が見えるまちになるよう、引き続き努めていきます」と話します。
「今後は、定期的に開かれる地区の運営会議のメンバーに、一人でも多くの外国籍の人が参加してほしい」と言う公民館館長の川口さん。「三者で横のつながりを強化し、地域に住む外国籍の人を一人も取り残すことなく、誰もが安心安全に暮らせる清明を創っていきます」

■外国人との交流を楽しんでほしい
県立足羽高等学校多文化共生まちづくり班「AIS」
礒野心吏さん、小貫アユミさん、竹内希依夏さん、清水キミエさん

福井県立足羽高校多文化共生まちづくり班「Asuwa high school International Society」(通称AIS(アイス))は、昨年9月に発足した「多文化共生のまちづくり」をテーマにした放課後活動。日本人だけでなく、ブラジルや中国などの国籍を持つ生徒30人ほどで構成されています。代表の礒野さんは「足羽高校は、他の高校と比べて多国籍。国際交流や多文化共生を目的とした活動をする団体がなくてはならないと思い設立しました」と話します。
主な活動は、国際交流や多文化共生を目的としたイベントの企画や運営。4月には、丸岡高校の生徒たちに「ブラジルの食文化」を知ってもらおうと、ブラジルのバーベキュー「シュラスコ」を通じた交流イベントを催したそうです。メンバーの小貫さんは、「異文化を理解してもらうために、自分たちで自由に意見を出し合い、一からイベントを企画して動かすことにやりがいを感じます」と話します。
今後は、外国に対する偏見をなくすイベントや、自分の住む地域で、子どもから高齢者までの全ての住民が多文化共生に興味を抱くきっかけとなるイベントなどを構想し、モルックをはじめとする、国籍や年代を問わず楽しめるスポーツイベントの開催も視野に入れています。
「私たちの活動を通じて、『外国人』という存在を身近に感じてくれる人が一人でも多くなればと思います。外国人と交流することに、身構えたり、深く考えたりする必要はありません。自分と異なることを楽しむ余裕さえあれば、きっと自分なりの国際交流ができると思います」と代表の礒野さんは言います。
竹内さんは、「私たちは一人一人夢も目標も違いますが、大好きな福井のまちを、いろんな文化が行き交う場所にしたいという思いは皆共通です」と熱く語ってくれました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU