文字サイズ
自治体の皆さまへ

こがんひとこがんとこ Vol.58

20/22

福岡県古賀市

◆その先にある農業へ
渡 健一郎(わたり けんいちろう)さん
(農業後継者・軽トラ市実行委員会会長)
▽貢献
「〝子どもたちにうまいものを食わしてやろう〟とか、〝収穫体験をしてもらおう〟とか、古賀の農家さんは、社会貢献を当たり前のように自然体でやっている人が多い。」そう話す渡さんもしかり。「赤ちゃん米*」を2年間で120もの世帯に配ったことも。コロナ禍で、自分の分を子どもに食べさせ食費を浮かす親の話を聞き、市民団体の行う「緊急子ども支援」に合わせ農家仲間と共に米600kgを配った。また、JA粕屋青年部として子どもたちへの「食育」活動も行っている。

▽決心
九州産業大学国際経営学科を出てJAに就職。26歳で仕事を辞めるまでは「農家の跡を継ぐ」ことは考えてなかった。しかし、JAに勤めたことで改めて農業の厳しさを知り、また農業で食べていける父親(公利(きみとし)さん)のすごさを知ることに。週休2日は無くなり毎月サラリーが入らない不安はあったが「自分が継がなければ、父が熱意を傾け拓いてきた様々な農業の扉が閉ざされる。それはあまりにもったいない」と、跡を継ぐ決心をさせたのは父への尊敬の念が大きかったように思う。

▽懸念
農業の師匠である父は今も現役だが、いずれは自分一人で担うことに。しかし、我が子には今の農業を選択肢として勧められないと言う。〝経営者が儲かる農業〟になってからこそ明るい未来が広がるはず。次世代のためにも彼は、農業経営について知識を深めている最中だ。

▽挑戦
「単なる継続は停滞」と考える彼は、恐れず新しいことに挑戦し続けることを自分に課している。将来いい形で自分に還って来ると信じているから。チャレンジ中の取組〝うまみ成分が多くおいしい「低たんぱく米」〟は、高い品質の米が安定して穫れるよう目下研究中だ。

▽農家は農業で人を幸せにする
こだわって育てたものを、〝おいしい〟と指名買いしてもらえたときほど報われる瞬間はない。それは次のステージへのエネルギー。農業の魅力・面白味はそこに集約される。
古賀のおいしい農産物をもっとPRして、もっと食べてもらい、もっとたくさんの人に喜んでほしくて。日々大地と空に相談し、知識を駆使し愛情を込めて育てる。すると、作物はおいしくなって応えてくれる。大変だけど面白い。だから農業はやめられない。

*「赤ちゃん米」:令和3・4年度子育て応援として顔写真を印刷した袋に誕生時の体重量の米を詰め、抽選でプレゼントした。現在は新しい企画を思案中。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU